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宅森昭吉のエコノミックレポート

REPORT

1月のトピック「景気拡張継続裏付ける年末年始の身近なデータ。レコード大賞、初詣の人出、新日本プロレスなど」

2018年01月05日

(景気拡張局面続き、18年末には戦後最長のいざなみ景気に並ぶ見込み)

景気動向指数による景気局面判断は、16年10月から直近の17年10月まで13カ月連続して最上位の判断である「改善」が続いている。当面は「改善」という判断の継続が期待できそうな状況だ。18年も世界経済の回復による輸出の増加、人手不足やITなど新技術に対応した設備投資の増加などが期待される。また、企業が積極的な賃上げを行えば、個人消費の増加も期待されよう。

16年秋までの約1年半は急激な円高などを受けた長い足踏み状態だったが、なんとか景気後退は回避された。在庫サイクルでは17年7~9月期は「在庫積み増し局面」に相当する。よほどのショックがなければ景気腰折れはなさそうな状況だ。

景気は17年9月に、戦後2番目の景気拡張期間である57カ月の「いざなぎ景気」を超えた後も、いわゆる「アベノミクス景気」の景気拡張局面が続いており、18年12月にはいよいよ戦後最長である「いざなみ景気」の73カ月連続に並ぶ可能性が大きい(図表1)。

(「ESPフォーキャスト調査」特別調査で、景気の懸念材料の第1は中国景気悪化だが、中国PMI予測は改善)

「ESPフォーキャスト調査」17年12月特別調査によると「半年から1年後にかけて景気上昇を抑える可能性がある要因」(3つまで)で11項目中2ケタ回答は、「中国景気悪化」29人、「円高」21人、「国際関係の緊張や軍事衝突」19人、「米国景気悪化」18人の4項目で全て海外発の要因が懸念されている。但し、11月の中国製造業PMI予測の特別調査で18年央に50未満になるという見方が8月調査比で大きく減少した。最大の懸念材料の中国景気も失速見込みは減り、緩やかに減速するが底堅いという見方が大勢になった。

先行きの懸念材料は海外要因に集中しているものの、実際の海外景気は16年半ば以降着実に改善している。

(10-12月期鉱工業生産指数は28年6カ月ぶりの7四半期連続前期比増加に)

景気動向指数、一致指数を作成する時に使われている系列は現在9系列である。その第一番目の系列が鉱工業生産指数である。鉱工業生産指数・11月分速報値前月比は+0.6%と17年で初めて2カ月連続の増加になった。季節調整値の水準は103.6と17年4月分の103.8以来の水準になった(図表2)。前年同月比は+3.7%で13カ月連続の増加になった。

経済産業省が公表している鉱工業生産指数の先行き試算値では、12月分の前月比は最頻値で+1.8%、90%の確率に収まる範囲で+0.8%~+2.8%となっている。先行きの鉱工業生産指数12月分を先行き試算値最頻値前月比(+1.8%)で延長した場合は10~12月期の前期比は+1.5%の増加になる見込みだ。また、先行きの鉱工業生産指数12月分を製造工業予測指数前月比(+3.4%)で延長した場合は10~12月期の前期比は+2.0%の増加になる見込みだ。これらの試案からみて、17年10~12月期までで7四半期連続前期比プラスになる可能性が大きいと考えられる。7四半期連続前期比プラスになれば、87年7~9月期から89年4~6月期までの8四半期連続以来28年6カ月ぶりの連続記録になる。

(17年のレコード大賞は乃木坂46の初受賞、西野カナの連覇なしで、17年で景気の局面変化なかったこと確認)

1月4日の大発会は、3日の米国株価を好感して23,000円台に乗せて始まり、前場で561円高の大幅上昇となり、後場でも上げ幅を広げ大引けは前年末比741円高の23,506円33銭で、92年以来26年ぶりの水準となった。株価は景気の先行指標のひとつであり、年初から明るい動きが出ているといえる。

17年12月30日の「日本レコード大賞」では乃木坂46が「インフルエンサー」で初のレコード大賞を受賞した(図表3)。レコード大賞の候補である優秀作品賞の10曲に入っていた西野カナは残念ながら8人目の連覇を逃した。景気局面的には82年・83年の細川たかし、85年・86年の中森明菜、96年・97年の安室奈美恵、01年・02年・03年の浜崎あゆみ、08年・09年・10年のEXILE、11年・12年のAKB48、14年・15年の三代目J Soul Brothersの過去7回の連覇をみると、連覇年では景気の局面が変わるというジンクスがある。三代目J Soul Brothersの14年・15年だけは景気局面は拡張のままだが、消費税率引き上げに伴う一時的な景気の落ち込みが存在した。景気が変化する時には生活の変化が大きいので同じ歌手の歌を聴いていても人々は飽きることが少なく、逆に局面が同じ時には人々は歌に変化を求めるのだろうか。いざなぎ景気の拡張局面の65年から70年にかけては、レコード大賞受賞者は美空ひばり、橋幸夫、ジャッキー吉川とブルーコメッツ、黛ジュン、相良直美、菅原洋一と別の歌手が受賞した。いざなみ景気の拡張局面の02年から08年では、浜崎あゆみが前年01年に後退局面で初受賞したあと、02・03年と拡張局面での受賞となった(株価の流れは03年に底をうって局面が変わった)。以降、Mr.Children、倖田來未、氷川きよし、コブクロ、EXILEと毎年受賞した歌手が変わっていった。以上のことからみて、乃木坂46の初受賞は足もとの景気拡張局面継続を示唆するできごとと考えられよう。

(正月三が日の初詣の人出は昨年の増加に対し、今年は概ね横這い、不安感の落ち着きが感じられる状況)

正月三が日の初詣の人出のランキングは09年まで警察庁が毎年公表していた。最後のベスト4は明治神宮、成田山新勝寺、川崎大師、伏見稲荷大社の順であった。10年以降、伏見稲荷大社は人出数を数えるのを止めている。人出のランキング上位3つの神社・仏閣に毎年筆者はヒアリングをおこなっている(図表4)。

昨年17年は3つの神社・仏閣全てが前年16年に比べ増加していた。16年秋まで円高や英国のEU離脱などの影響で景気が足踏み状態で、景気ウォッチャー調査でも不安関連のコメント数が多かったからだ。今年18年は明治神宮が昨年より1万人減少、成田山新勝寺と川崎大師は各々1万人増加となった。NHKの「ゆく年くる年」の中継拠点が川崎大師であった特殊要因の影響もありそうで、総じてみると前年に比べ横ばいといった感がある。景気ウォッチャー調査でも17年は9月をピークに不安関連のコメント数がやや減少し、回答内容も改善してきている。不安感の落ち着きが、初詣の人出の数からも感じられる状況であると言えよう。

(3年ぶりに3万人台に増えた新日本プロレス1.4東京ドーム大会の観客数、オカダと棚橋がともにタイトル防衛)

毎年1月4日に東京ドームで開催されている新日本プロレス レッスルキングダムの観客数が2018年は木曜日と平日であったにもかかわらず、34,995名と前年比+33.6%の増加で、1月4日が土曜・日曜だった14年・15年以来の3万人台となった(図表5)。それなりの金額のチケットを購入するファンが多かったことになろう。IWGPヘビー級王者のオカダ・カズチカが内藤哲也を退け自己の連続防衛新記録となる9連続防衛に成功した。また棚橋弘至はIWGPインターコンチネンタル選手権試合でジェイ・ホワイトを破り、4連続防衛を成し遂げた。景気が悪いとファンのストレス発散になるせいかヒール的なレスラーが勝つこともあるが、今年はどちらかと言えば正統派二大エースのオカダと棚橋がともに防衛したことで、景気拡張継続が示唆される状況になった。

(季節調整値重視の「月例経済報告・消費者物価」の判断が、近々変わるかが注目点)

17年11月分の全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合指数の前年同月比は+0.9%の上昇となった。前月比(季節調整値)は+0.2%だった。前年同月比は1月分で13カ月ぶりの上昇に転じたあと、11カ月連続の上昇になった。前年同月比の+0.9%は消費税率引き上げの影響(+2.0%)を除くと、2014年10月の+0.9%(消費税率引き上げの影響含む+2.9%)以来3年1カ月ぶりの上昇率である。また、17年11月分の全国消費者物価指数・生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数の前年同月比は+0.3%になった。前月比(季節調整値)は+0.1%だった。17年3月分では▲0.1%と13年7月分の▲0.1%以来44カ月ぶりの下落だったが、4月から6月分はともに0.0%で、7月分で+0.1%と5カ月ぶりの上昇に転じ、8月から10月分で+0.2%、11月分で+0.3%になり5カ月連続の増加になった。

ESPフォーキャスト調査・17年12月調査によると、全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同期比の総平均予測値は、17年10~12月期で+0.78%、18年1~3月期+0.74%、4~6月期+0.78%と足踏み状態になった後、7~9月期は+0.87%、10~12月期は+0.88%、19年1~3月期は+0.90%へと緩やかな上昇を見込んでいる。消費者物価の前年同月比はしばらく横ばいと見る向きも多いが一方違う見方もある。

内閣府の17年12月の「月例経済報告」では、「景気は緩やかな回復基調が続いている」とした。また個別項目の中の消費者物価は16年8月以来17カ月連続で「横ばいとなっている」になった。月例報告で物価の判断は季節調整値によるからである。国内企業物価の判断は一歩先を行っている。国内企業物価の判断は17年10月と11月で2カ月連続「このところ緩やかに上昇している」だったが、17年12月では「緩やかに上昇している」と17年10月以来2カ月ぶりの表現変更となった。

全国消費者物価指数で生鮮食品を除く総合と、生鮮食品及びエネルギーを除く総合はともに、17年10月・11月と2カ月連続の上昇であり、東京都区部は10月から12月にかけこの基調が続き、両項目とも3カ月連続の上昇である(図表6)。国内企業物価に続いて18年1月か2月の「月例経済報告」で表現が上方修正されるかが注目される。

 

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