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ホーム > お役立ち情報 > レポート・コラム > アジア拠点最新レポート > 第13回 東京レポート 中国の鉄道セクター
中国の国土面積は960万平方キロメートルで、ロシア、カナダに次いで世界第3位、日本の26倍もあります。中国の鉄道の営業距離は7.7万Kmと、アメリカ、ロシアに次ぎ世界第3位ではありますが、13億人強の巨大の人口と面積からみて、鉄道普及率は他の主要国より低いといえるでしょう。今の鉄道営業距離のままでは、供給能力が輸送需要の40%程度しか満たせてないのが現状です。中国鉄道年鑑(2005年)の公表によると、一万人当たりの鉄道の営業距離は、アメリカの9.63Km、ロシアの5.94Kmに比べ、中国は0.58Kmに止まっています。これは、中国経済の高度成長を牽引してきた固定資産投資が、製造業の設備投資や不動産投資を中心にし、一方で、鉄道や道路など交通インフラの投資が比較的遅れていたためと思われます。交通インフラの中でも、特に鉄道整備が遅れており、貨物輸送の能力不足や、旅客輸送の加速化の遅れなどが深刻な問題となっています。
2007年より中国政府は鉄道整備の目標を上方修正し、2020年末の鉄道営業距離の目標を10万Kmから12万Kmへ引き上げました。主なプロジェクトとしては、省都や主要都市間を結ぶ旅客輸送専用線路網である「四縦四横」(中国全土を南北に4線、東西に4線で結ぶ時速200Km以上の高速鉄道網)が上げられます。その中でも特に注目されているのは、北京-上海間を結ぶ営業距離約1,300Kmの高速鉄道であり、完工すれば、今まで十数時間もかかったのが、たった4時間半で北京と上海が結ばれるようになります。
中国の鉄道産業に属する企業としては、鉄道インフラの土木工事や建設を行う企業、鉄道設備・システムを提供する企業、及び鉄道運営を行う企業があります。北京―上海間の高速鉄道の工事に関しては、中国交通建設、中国中鉄、中国鉄道建築などの大手三社が主に土木工事や建設設備関連の受注を受けています。
鉄道整備のもう一つの重要な課題として挙げられるのは、都市部の交通手段としての電車の供給不足問題です。北京や上海など大都会は人口が1千万人以上もあり、東京の朝の出勤ラッシュと同じように電車が混雑しています。それ以外にも人口100万人以上の都市が117もあり、そのほとんどが交通手段には電車がありません。90年代まではバスが主な交通手段でしたが、都会への人口流入増による交通需要拡大に加え、政府の省エネ・環境保護の視点から、都市部内の電車の需要が高まると思われます。
現在の中国鉄道産業には政府の規制で守られているという面もあります。例えば、鉄道インフラ整備事業に外資系企業が参入することに対して制限が設けられています。また、中国企業には低い人件費や、国内の建設基準に見合った資材を適正価格で調達できるコスト競争力があり、鉄道インフラの整備事業を受注するのは中国企業となる可能性が高いと思われます。
中国政府は車両の生産を国産化する方針ですが、高付加価値化については海外から先端技術の吸収や、海外から調達していた部品の現地生産化による対応を進めています。中国の鉄道企業では高速車両の技術の蓄積はまだ少ないため、二大国有鉄道車両メーカーである中国北方機車車両工業集団、中国南方機車車両工業集団が2車種ずつ分担し、前者には日本の川崎重工業が、後者にはドイツのシーメンスなどが技術供与を行っています。さらに、中国政府は発展途上国へのインフラ建設支援策も積極的に取り組んでいます。中国鉄道産業は政府との連携で、欧米諸国に対するコスト競争力を武器に海外市場へ進出しており、アフリカの新興国などからの受注が拡大しています。
今後、中国鉄道産業は、インフラ整備事業を担っている企業を中心に中国経済の成長を促進していくと思われます。(作成日:2008年5月12日)
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