経済指標解説
3月分「景気動向指数」(速報値)について
05月12日午後2時現在
-先行CI前月差+4.4、13カ月連続上昇、一致CI前月差+1.1、12カ月連続上昇-
-基調判断は「改善」継続-

●3月分景気動向指数・速報値では、先行CIは前月と比較して過去最大の+4.4ポイント上昇した。一方、一致CIは前月と比較して+1.1ポイントの上昇になった。
●内閣府の一致CIを使った景気の基調判断は、6カ月連続して「景気動向指数(CI一致指数)は、改善を示している」になった。
●一致CIの3カ月後方移動平均の前月差は+1.53と11カ月連続1標準偏差分を上回る大幅上昇で、「3カ月後方移動平均の前月差が3カ月連続で上昇」という、基調判断表の「改善」の基準を十分満たしている。
●先行CIは今回3月分で、13カ月連続の上昇になった。86年11月分から87年11月分に記録した13カ月連続以来である。景気の先行きに関する明るい材料である。
●また、一致CIは今回3月分で、12カ月連続の上昇になった。12カ月連続の上昇は96年2月から97年1月にかけて以来である。一致CIは、景気拡張が継続していることを裏付ける内容だ。
●参考系列の3月分のDIでは、先行DI、一致DI、遅行DI全てが現行統計では初めての100.0%になった。全ての採用系列が3カ月前に比べ改善していることを意味する。景気回復が幅広い分野に広がっていることを裏付ける数字と言えよう。一致DIは3カ月連続の100.0%で96年10月から97年1月の4カ月連続以来である。
●3月分景気動向指数・CI改定値で、新たに改定値から加わる系列としては、一致系列では稼働率指数があるが、前月差では+0.03程度の寄与度になるとみた。予測の前提として、他の系列が速報値段階と比べ大きな変化はないものとすると、一致CIの前月差は+1.0程度で速報値の+1.1から下方修正されるとみた。内閣府の一致CIを使った景気の基調判断は3月改定分でも「改善」になろう。参考系列の一致DIでは稼働率指数はプラス符号になるとみられるので、速報値100.0%と比べ不変と予測する。
●一方、先行系列では実質機械受注が前月差では+0.17程度の寄与度になるとみた。他の系列の数字が、速報値から確報値になった時に大幅な変化はないものとすると、先行CIは+4.1程度で速報値の+4.4から下方修正になるとみた。また、先行DIは実質機械受注がプラス符号で加わるとみられ、こちらも速報値の100.0%と比較し不変と予測する。

●今回3月速報値段階で、ブライ・ボッシャン法により一致系列採用指標で谷の時期が確定しているものを挙げると、生産指数、鉱工業生産財出荷指数、稼働率指数、商業販売額(小売業)の4系列が09年2月、大口電力使用量、所定外労働時間指数、営業利益、中小企業売上高の4系列が09年3月、商業販売額(卸売業)が09年5月であり、投資財出荷指数が09年7月である。残る有効求人倍率は09年夏頃にボトムをつけたとみられる。
このためHDIが50%を上回るのは09年4月となり景気の谷は09年3月であることが確定している。現時点では景気動向指数研究会の開催予定は決まっていないようだが、景気の谷の正式決定時期がいつかをみる上で、景気動向指数研究会の開催時期は要注目だ。
●4月分の先行CIの採用系列では、日経商品指数、長短金利差、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列は各々前月差寄与度が+0.57程度、▲0.27程度、▲0.71程度、+0.21程度の寄与度になることがこれまでのところ判明している。4系列分の寄与度の合計では前月差▲0.20程度になる。このため4月分の先行CIの前月差が現行統計では最長の14カ月連続前月差上昇になるかどうかは、今後の他の採用系列の出方次第だ。一方、一致CIは生産予測指数の動向などから見て、86年12月分から88年2月分までの15カ月連続以来の13カ月連続しての前月差上昇になるとみられる。
●また、4月分の先行DIでは、日経商品指数、長短金利差、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列のプラス符号が現時点で判明している。4月分先行DI速報値は、40.0%以上100.0%以下が確定している。
宅森昭吉(たくもりあきよし)
当社チーフエコノミスト

- 著書
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:「ジンクスで読む日本経済」(東洋経済新報社、1988/12)
「日本経済「悲観神話」はもういらない」(中央公論新社、2003/04) - その他
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:総務庁統計局「個人消費動向の的確な把握のための検討会」委員
経済企画庁「動向把握早期化委員会」委員などを歴任。
現在、経済企画協会「ESP景気フォーキャスト調査委員会」委員、
内閣府「景気ウォッチャー調査研究会」委員
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