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経済指標解説

1~3月期「法人企業統計・設備投資」等について

06月03日午前9時現在

◎ 1~3月期設備投資(除くソフトウェア)は前年同月比が▲12.9%と、10~12月期の▲18.5%からマイナス幅が縮小。

◎ 1~3月期実質GDP第2次QEは、設備投資・在庫投資の下方修正で、第1次QE前期比年率+4.9%から下方修正され、前期比年率+4.0%程度か。

 

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 1~3月期の法人企業統計調査の全産業・設備投資(ソフトウェア投資額を除くベース)は前年同期比▲12.9%と10~12月期の▲18.5%から5.6%ポイントのマイナス幅縮小となった。12四半期連続の前年同期比減少という厳しい内容だが、マイナス幅縮小で改善の動きが出てきていると言える。

 1~3月期の法人企業統計調査・全産業(金融業・保険業を除くベース)の設備投資(ソフトウェア投資額を除くベース)は、関連データの建設物価調査会の設備投資調査(土地除くベース)がかなりマイナス幅縮小していたことやGDP統計第1次速報値などをもとに、事前に前年同期比▲4.9%程度とかなりマイナス幅が縮小すると予測していたが、期待はずれの結果となった。

 また、1~3月期の法人企業統計調査・全産業(金融業・保険業を除くベース)の設備投資(ソフトウェア投資額を除くベース)の季節調整済み前期比は▲2.6%になった。10~12月期は+0.3%と増加だったが再びマイナスの前期比になってしまった。なお、GDPの算定用の断層補正をおこなうと前年同期比のマイナス幅の縮小は生の数字の変化に比べ大きくなりそうなので、前期比の減少率も割り引いて考えたほうがよさそうだ。

 GDP統計第1次速報値では名目設備投資は10~12月期の前年同期比▲17.4%から1~3月期は同▲5.6%まで11.8%ポイント減少率が縮小している。

 他の設備投資の基礎データでは、特定サービス産業動態統計・ソフトウエア開発・プログラム作成の売上高・前年同月比は1月分▲4.9%、2月分▲2.9%に対し新たに加わる3月分が▲10.2%なので第1次速報値からの下方修正要因になりそうだ。また、個人企業経済調査の設備投資は、製造業こそかなり改善したが、それ以外の業種が弱いので、こちらも第1次速報値からの下方修正要因になりそうな感じだ。

 新たに加わる法人企業統計調査などの需要サイドの材料から総合的に判断すると、GDP第1次速報値で+1.0%の伸び率だった実質民間企業設備投資・前期比は+0.1%程度に下方修正されると予測する。場合によっては前期比マイナスもあるかもしれない。

 (在庫投資)

 GDPの名目在庫投資は10年1~3月期第1次速報値・原数値では▲3兆2344億円で09年1~3月期の▲3兆5320億円より2976億円ほどマイナス幅が縮小した。前年同期比の寄与度は+0.3%だった。製品在庫・仕掛品在庫がプラス寄与、流通在庫・原材料在庫がマイナス寄与だったようだ。

 法人企業統計の仕掛品在庫をみると10年1~3月期は▲8兆601億円で09年1~3月期の▲6兆8537億円より▲1兆2064億円とマイナス幅が拡大した。一方、原材料在庫は▲2726億円と09年1~3月期の▲1兆2675億円に対し9949億円マイナス幅が縮小した。併せて2115億円ほどマイナス幅が拡大した。1~3月期GDP第1次速報値段階で名目在庫投資の前年同期比寄与度は+0.3%のプラス寄与だったが仕掛品在庫の下方修正、原材料在庫の上方修正の可能性が大きい。評価の問題などもあるが法人企業統計によると、第2次速報値段階で名目在庫投資の前年同期比寄与度は+0.2%のプラス寄与に下方修正される可能性が大きいとみる。1~3月期の実質民間在庫投資・前期比寄与度は第1次速報値の+0.2%から+0.1%程度へ下方修正されるとみる。

 (1~3月期実質GDP・第2次速報値)

 1~3月期実質GDP・第2次速報値は、季節調整が毎回変わるなど不透明要素があるものの、前期比+1.0%程度、前期比年率+4.0%程度と、設備投資・在庫投資の下方修正を主因に、第1次速報値の前期比+1.2%、前期比年率+4.9%から下方修正されると予測する。

 (営業利益)

 なお、09年10~12月期の営業利益は全産業で前年同期比+73.9%の増加だったが、今回の1~3月期では同+272.7%と大幅な増加だった。経常利益の季節調整済み前期比が+10.9%と2ケタ増となったように営業利益も前期比で増加していよう。これは、景気動向指数・一致CIの1~3月分の上方修正要因になりそうだ。

宅森昭吉(たくもりあきよし)
当社チーフエコノミスト

著書

:「ジンクスで読む日本経済」(東洋経済新報社、1988/12)
「日本経済「悲観神話」はもういらない」(中央公論新社、2003/04)

その他

:総務庁統計局「個人消費動向の的確な把握のための検討会」委員
経済企画庁「動向把握早期化委員会」委員などを歴任。
現在、経済企画協会「ESP景気フォーキャスト調査委員会」委員、
内閣府「景気ウォッチャー調査研究会」委員

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