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コンドラチェフ波動(こんどらちぇふはどう)

解説

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景気循環(サイクル)に関する学説のひとつで、景気が約50年周期で循環するという考え方。ロシアの経済学者コンドラチェフ氏が提唱したもので、「長期波動」「大循環」とも呼ばれます。景気はこれまで、画期的なイノベーション(技術革新)をけん引役として拡大し、やがて縮小局面へと大きく循環してきたという考え方です。このほかの景気循環では、在庫の増加・減少に起因する約40カ月周期の「キチンの波(短期波動)」や、設備投資が引き起こす約10年周期の「ジュグラーの波(中期波動)」、建物の建て替えが要因となる約20年周期の「クズネッツの波」が知られています。

ひとくちメモ

産業革命から現在まで4~5つの波があったといわれています。最初のけん引役が「蒸気機関、紡績」、次が「鉄鋼、鉄道」、第3波が「化学、電気、自動車」、第4波が「エレクトロニクス、原子力、航空宇宙」で、第5波を「コンピューターを基盤としたデジタル技術、バイオテクノロジー」で、それが現在終わりに差し掛かっているといった見方や、現在も第4波が続いていて、これから「ライフサイエンス、人工知能、ロボット」がけん引する第5波が来るといった見方があります。研究者の間では今後の波を起こすイノベーションは、「環境」「食料」「エネルギー」「高齢化」などがキーワードになるといわれています。

情報提供:株式会社時事通信社