アジアトーク(ASIA TALK)

REPORT

第十九回:順調に市場シェアを伸ばす中国産スマホ

(注) 個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

ファン:今日は、三井住友アセットマネジメントの上海事務所がある南京西路の私のお気に入りのカフェで、中国A株式のアナリストであるソンさんとエンさんに、最近目に付くようになった中国産のスマホ事情についてお話を伺いたいと思います。因みに上海事務所がある南京西路は、上海で最も早く海外のブランドショップが出来たところで、外資系が入る大型オフィスビルや国際的に有名なホテルがあるオシャレなビジネス街です。ただ、メインストリートを少し外れると昔ながらの庶民的なアパートや路地が存在するなど、趣がある一面もある街で個人的に大変気に入っています。
早速ですが、街を歩いていたり、友人と会ったりすると、以前はアップルやサムスンのスマホが目についていたのが、最近は中国の国産スマホを持っている人が増えた気がします。ニュースなどでも中国国産スマホのシェアが拡大しているとの報道が有りますが、実際はどうなのでしょう?

ソン:ファンさんの言うとおり、最近、中国国産スマホが目につきますね。スマホの普及当初は、ノキアとモトローラが中国市場を二分していましたが、2012年以降、中国でスマホの普及率が一気に伸びた時にはアップルとサムスンが急速に市場シェアを伸ばしました。中国国産スマホメーカーで唯一善戦したのはファーウェイでしたが、ほぼ、外資系が独占していたと言えます。

エン:中国のスマホメーカーであるファーウェイやZTEも業績を伸ばしていましたが、国内市場よりむしろ海外の途上国向けに出荷していました。2010年から2013年にかけての中国国内のスマホユーザーは、大都市の富裕層が多く、彼らは高品質で高価格のアップルやサムスンを好んで購入していたのです。 2014年以降になると中国のスマホ普及率はほぼ90%にまで高まり、外資系一色だったスマホ市場にも変化が訪れました。

ファン:いつからか正確にはわかりませんが、最近は、ファーウェイやZTEだけでなく、中国のスマホメーカーが増えた気がします。例えば、シャオミー、OPPO、VIVOの広告やお店を良く目にしますし、持っている人も多くなったように感じます。

ソン:今、人気が高いシャオミーは、2011年後半に1号機を発売しています。2012年の出荷台数は約700万台だったものが、2015年には約7,240万台と10倍を超える急成長を遂げています。2016年上期の、シャオミーの出荷台数は前年同期比で減少したものの、他の中国国産スマホメーカーであるOPPOとVIVOは出荷台数を大幅に増やしており、中国国産スマホのシェアは上昇しています。2016年上期の出荷台数をメーカー別に見ると16社中、アップルとサムスンの2社を除いて全てが中国国内メーカーです。中でもここ2年間で出荷台数を大幅に増やしているのは、OPPOとVIVOです。彼らは機能を限定した低価格を武器に地方都市の若年層に支持されているようです。

エン:夏休みに中国北部に里帰りしましたが、OPPOやVIVOの正規販売店が沢山オープンしていてびっくりしました。以前は、アップルとサムスンのショップが続々とオープンしていました。しかし、今やOPPOとVIVOのショップが雨後の竹の子のように開店しています。

ファン:それから個人的に感じるのは、中国国産スマホがデュアルカメラやカッコ良い音響モジュールを搭載するなど世界の最先端機能を取り入れていることです。例えば、デュアルカメラはアップルがiPhone7 Plusに搭載をする前に既にファーウェイの複数のスマホに搭載されていました。

エン:そのとおりです。デュアルカメラは2016年4月にファーウェイP9に搭載され、iPhone7 Plusは、2016年9月に中国で出荷が始まりました。デュアルカメラはアップルの投入により人気が出て、販売店は、今後中国国産スマホメーカーによる導入が進むと予想しています。実際、4つのモデルにデュアルカメラを搭載したファーウェイに続いてシャオミー、ZTEとLephoneが2016年下期にデュアルカメラを搭載したモデルを発売しました。恐らくOPPOとVIVOも2017年上期に発売にこぎつけると思います。

ソン:中国景気の減速でスマホの出荷台数は減速しているものの、低価格機は相対的に高い伸びが期待できます。アップルが高級化路線をとっているなかで、低価格帯機種に強みを持つ中国スマホメーカーは今後とも着実にシェアを拡大すると思います。

ファン:お二人のお話を伺って、なんで最近中国国産のスマホのシェアが伸びていることが解りました。本日は、美味しいコーヒーと共に貴重なお話を伺えて楽しいひと時を過ごすことが出来ました。有難うございました。

以上

インタビュアー ・プロフィール

三井住友アセットマネジメント(上海事務所)
中国A株シニアアナリスト
ソン・ウェイ

金融業務経験年数約10年のアナリスト。
2008年に三井住友アセットマネジメント(上海事務所)に入社。 前職は、中国の金融情報提供会社のアナリスト。バドミントンを17年続けており、地域の大会には積極的に参加している。一番の楽しみは3歳になる娘と週末に遊ぶこと。

三井住友アセットマネジメント(上海事務所)
中国A株アナリスト
エン・チョウ

金融業務経験年数約10年のアナリスト。
2010年に三井住友アセットマネジメント(上海事務所)に入社。前職は、日系証券会社のアナリスト。中国のハイテク関連、自動車、機械、通信を担当。ヨガ、ダンス、太極拳、ピアノ、料理と多趣味。最近は、中国漢方の研究にハマッテいる。

三井住友アセットマネジメント(上海事務所)
総務
ファン・チィ

2005年に三井住友アセットマネジメント(上海事務所)に入社。上海駐在事務所設立当初から勤務している、当事務所運営の要。前職は、日系企業。最近、コーヒーの飲み比べにハマッテいる。上海事務所近くの小規模なこだわりコーヒー店がお気に入り。