ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,380】「ADB」は堅調な経済見通しを維持(アジア)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,380】「ADB」は堅調な経済見通しを維持(アジア)

2014年7月29日

1.ADBとは?

 Asian Development Bank の略で、アジア開発銀行のことです。アジア・太平洋地域を貧困から開放し、その生活向上に貢献することを目的として1966年に設立されました。設立当初31カ国・地域だった加盟国は、現在67カ国・地域(うち48カ国・地域がアジア・太平洋地域)です。ニ大出資国は日本と米国です。アジア開発銀行の総裁は2013年4月より中尾武彦氏(元財務省財務官)が就任しています。

2.最近の動向

 ADBは18日、「アジア経済見通し」(日本などの域内先進国を除いたアジア・太平洋の45カ国・地域(以下、45カ国)を対象)の修正見通しを発表しました。これによると、45カ国の実質GDP成長率の見通しは、2014年が前年比+6.2%、2015年が同+6.4%と、前回4月の見通しがともに据え置かれました。
 各国・地域別では、東南アジアの2014年の成長率見通しが下方修正され、インドの2015年度の成長率が上方修正されていますが、全体としては見通しが維持された形です。先進国の見通しは、悪天候による米国の成長率の引き下げを受けて2014年が引き下げられ、2015年は据え置かれました。

3.今後の展開

 ADBは、45カ国の足元の経済が先進国経済の回復による外需に支えられ堅調に推移していると見ています。今後については、中国は、政府による景気下支え策の効果などで、安定した成長率の推移が見込まれています。インドは、新政権がインフラ整備などを優先した経済改革を推進することなどにより、成長率の加速が見込まれています。東南アジアのインドネシア、タイは、経済の低迷からの回復が見込まれています。45カ国の物価は、食品価格と原油価格の安定により、落ち着いた推移が見込まれています。
 中国やインド、ASEANなどのアジア新興国では、中長期的な人口増加を背景とした消費の拡大や高い経済成長が見込まれます。海外企業から世界の一大消費地としても注目されており、今後ともアジア・太平洋地域の経済成長力に注目が集まりそうです。

関連マーケットレポート