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「電力小売りの自由化」開始(日本)

2016年4月14日

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2016年4月から電気の購入先を自由に選べる「電力小売りの全面自由化」が始まりました。2000年の大口電力からスタートした「電力小売り自由化」は、いよいよ最終段階を迎えます。家庭や商店も含む全ての消費者が、電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになりました。既にガス、石油精製、通信など多数の会社が新規参入しています。電力会社も対抗上、新たな料金プランを提示するなど、競争が活発化しています。

【ポイント1】新規参入が相次ぎ登録事業者は全国で279社

4月1日時点の契約切り替えは全国で53万件

■4月以降一般家庭向けの小口電力市場においても、新規の電力会社の参入が認可され、消費者は電力会社を選択することが可能となりました。経済産業省資源エネルギー庁によれば、4月7日現在で小売電気事業者の会社は全国で279社に達しています。

■国の機関である電力広域的運営推進機関は4月8日、4月に始まった電力小売り全面自由化で家庭の契約切り替え状況を発表しました。それによると、1日時点で、すでに切り替えた世帯は53万を超えました。

【ポイント2】契約切り替えはまだ総契約数の1%未満

首都圏、関西に集中

■ 4月1日時点では、全国で切り替えた世帯は総契約数の1%未満にとどまっています。ただし、契約切り替えは、3月25日時点発表と比べ1週間で約15万件増えており、今後も増加が見込まれます。

■契約切り替えが集中しているのは都市部で、切り替えの9割近くが首都圏(東京電力管内)と関西圏(関西電力管内)です。東京電力が約33万件で、関西電力が約13万件でした。一方、沖縄電力や中国電力管内で契約を切り替えたのは1千件に届かないなど、地域差が大きくなっています。

【今後の展開】契約切り替えの本格化はこれから

■ 多くの家庭は様子見
新規事業者各社は割安料金や多様なサービスを競い、活発なPRを展開して契約切り替えを促しています。しかし、割安料金のメリットが電力消費の多い家庭に偏っていたり、セットメニューが複雑だったりすることでまだ様子見をしている家庭が多いようです。

■地方にも電力自由化の恩恵が必要
東京ガスの契約件数が24万件超(4月4日時点)となるなど、今後も契約切り替えが増えることが確実です。しかし、東京電力、関西電力管内だけでなく、地方にも電力自由化の恩恵が行き渡るように、競争を促す工夫が必要だと思われます。

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