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「確定拠出年金」が大幅に拡大へ(日本) 【キーワード】

2016年5月31日

<今日のキーワード>
5月24日に「改正確定拠出年金法」が成立しました。実質的にすべての現役世代に加入対象を拡大するものです。「確定拠出年金」とは、拠出額が決まっているという意味で、DC年金とも、またアメリカの制度から「401k」とも呼ばれます。これに対し、給付額が決まっているものが確定給付年金(DB年金)です。DC年金では加入者個人が運用に対し責任を負うのに対し、DBでは企業側が負う違いがあります。

【ポイント1】確定拠出年金の改正の概要

公務員や専業主婦が加入対象者に

■「確定拠出年金」は、2001年からスタートし、徐々に拡大してきていますが、今回の改正の最大のポイントは、加入対象者の拡大です。これまで加入できなかった公務員や専業主婦も、2017年1月から対象となります。

■現在の「確定拠出年金」の加入者は600万人弱と見られます。これに公務員の約340万人、専業主婦約1,000万人、さらには勤め先に企業年金がある会社員1,000万人以上が加入対象者となるため、今回の改正で、加入者が大幅に増加するのではないかと期待されています。

【ポイント2】節税メリットが大きい

掛け金は税額控除される

■確定拠出年金の最大の特徴は、節税メリットが大きいことです。加入者の職業や属性によって限度額が異なりますが、現状で年間27.6~81.6万円の拠出額が所得控除の対象となります。仮に年収500万円の場合、これを差し引いた金額、すなわち418.4~472.4万円が実際の所得とみなされます。なおかつ運用益に対しては非課税となります。

■ただし、注意しなければいけないのは、NISA(少額投資非課税制度)が途中引き出しが可能なのに対し、確定拠出年金では60歳まで原則不可能となります。

【今後の展開】参加人数は大幅に拡大へ

■さらなる普及策も盛り込まれる
今回の法改正では、上記の他に、今後2年以内に、中小企業等を対象にした、簡易型DC制度(企業年金の実施が困難な中小企業を対象に設立手続きの簡素化)や、DCからDB等への年金資産の移動など、さらなる「確定拠出年金」の普及策が盛り込まれています。

■自分の年金は自分で確保
「確定拠出年金」は、国民年金や厚生年金に、上乗せする年金の一種です。今後いわゆる団塊世代が後期高齢者入りするなど、年金財政は厳しい環境に置かれています。今回の法改正には、自分の年金を自分で確保するための手段を提供する、との意味合いがあるように思います。

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