ホームマーケット日々のマーケットレポート下院は「大統領弾劾」を可決(ブラジル)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

下院は「大統領弾劾」を可決(ブラジル)

2016年4月19日

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ブラジル議会下院は、4月17日にルセフ大統領に対する弾劾を可決しました。今後、弾劾手続きは議会上院に移ります。上院本会議での弾劾裁判の設置についての採決は5月11日前後に行われる見込みですが、その設置が決まった時点でルセフ大統領の職位は停止され、テメル副大統領が代行することとなります。ルセフ大統領の弾劾が成立し政権交代が実現した場合、市場は新政権の経済運営を見極める展開となると見られます。

【ポイント1】議会下院はルセフ大統領に対する弾劾を可決

弾劾成立が濃厚に

■ブラジル議会下院は、4月17日にルセフ大統領に対する弾劾を可決しました。可決には議員の3分の2以上の賛成票である342票が必要でしたが、実際の賛成票は367票にのぼりました。事前に連立与党から続々と離反する政党が出ていたことから、弾劾可決は市場では広く想定されていました。

■今後、弾劾手続きは議会上院に移ります。上院本会議での弾劾手続きが決定されると、ルセフ大統領の職位は停止され、テメル副大統領が代行することとなります。この決定は5月11日前後に行われると見込まれています。その後、上院本会議で弾劾裁判が行われ、そこで弾劾が決定されると、弾劾が成立することとなります。上院は野党が優勢なため、弾劾が成立するとの見方が多いようです。

【ポイント2】経済の立て直しが課題

回復には時間がかかる

■仮に政権交代が行われる場合、新政権は、財政立て直しや規制緩和などに取り組むと見られますが、経済の立て直しには時間がかかる模様です。

■IMF(国際通貨基金)は、先日、ブラジルの今年の経済成長率を▲3.5%から▲3.8%へと下方修正しました。来年の経済成長予想は横ばいで据え置き、最悪期からの脱出がようやく視野に入ってきた模様です。

【今後の展開】市場は政権交代後を見据える展開へ

■市場は、政権交代期待による上昇一服
週明け18日のブラジル市場は下落しました。2月以降、政権交代の可能性を好感する形で株式、債券、通貨共に大きく上昇してきましたので、一旦は好材料出尽くしとなった模様です。

■新政権の政治・経済運営に注目
これまでの政権交代の期待による上昇が一服した後は、新政権の経済運営を見極める展開となると見られます。景気が緩やかながら改善に向かい、ブラジル市場への資金流入が展望できる状況が待たれます。

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