ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見るインド経済(2016年7月) 鉱工業生産と貿易収支は内需拡大を示唆/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見るインド経済(2016年7月)
鉱工業生産と貿易収支は内需拡大を示唆 【デイリー】

2016年7月19日

【ポイント1】生産は2カ月ぶりのプラス

生産モメンタムは上向き傾向

■5月の鉱工業生産指数は、前年同月比+1.2%と2カ月ぶりにプラスに転じました。業種別にみると、一次金属、化学などが堅調です。一方、6月の製造業PMIは51.7と2カ月連続で上昇しました。生産のモメンタムが強まる傾向にあり、年後半にかけての内需拡大が予想されます。

【ポイント2】貿易赤字は緩やかに拡大

輸入は内需拡大で増勢へ

■6月の貿易収支は、▲81億米ドル、3カ月累計で▲192億米ドルといずれも前月に比べ赤字幅が拡大しました。輸出はウエイトが比較的大きい農産物や化学製品が前年比でプラスに転じました。輸入は、原油・金を除く輸入(電気製品や輸送機械など内需関連)の伸びが高まりました。

■当面、貿易赤字は緩やかな拡大が見込まれます。輸出は改善傾向が続く見込みです。足元にかけてASEANを中心にアジア向けが持ち直すと期待されます。一方、輸入は原油価格の下落の影響が一巡するほか、賃上げやモンスーン期の多雨を受けた内需の拡大が見込まれることが背景です。

【今後の展開】物価の安定が予想され、景気は緩やかに拡大する見通し

■6月の消費者物価指数(CPI)は前年比+5.8%と前月から横ばいでした。前月に続き野菜価格の上昇が背景ですが、今後は昨年の反動から低下圧力がかかりやすい状況です。さらに、雨季(6-9月)の多雨が予想されており、年後半に食品インフレ率が上昇するリスクも抑えられそうです。

■また、政府が公務員の住宅補助の年度内の承認を見送ったことでCPIの上振れリスクが抑えられました。こうした点を踏まえると、17年1-3月期にかけてCPIは目標レンジ(2-6%)に収まる見込みです。今後は、物価の安定が予想され、景気は緩やかな拡大が続く見通しです。

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