ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見る中国経済(2014年8月)  回復が一旦足踏み、景気支援策の拡充期待も【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見る中国経済(2014年8月)  回復が一旦足踏み、景気支援策の拡充期待も【デイリー】

2014年8月21日

【ポイント1】生産・消費の伸びは鈍化

生産は4-6月期の加速の反動も
■7月の鉱工業生産は前年同月比+9.0%となり、6月から若干鈍化しました。主な製品別では、けん引役だった自動車の伸びが同+11.2%から同+10.5%へ、経済活動と関係が深い発電量が同+5.7%から同+3.3%へ鈍化しました。

■生産が減速した背景には、企業が景気支援策を見越し、4-6月期に早めに増産した反動もあったと思われます。ただし、景況感や在庫状況からは、回復基調が続いているものと見られます。

■7月は小売売上高も、同+12.2%と鈍化しました。一方、賃金は年+9%台(都市部)で増加を続けており、今後も消費は底堅く推移しそうです。

【ポイント2】投資も鈍化、今後には期待

新規着工計画が回復へ
■1-7月累計の固定資産投資(農村部除く)は前年同期比+17.0%と鈍化しました。インフラ関連部門が同+22.6%と大きく伸びた一方、価格調整もあり、不動産部門が同+13.7%へと低下を続けたことが要因です(ともに全体の約2割を占める)。

■一方、春先まで12%台で伸び悩んでいた新規着工計画は同+14.5%へ加速してきました。今後も、景気支援策による積み上がりが期待されます。

【今後の展開】景気支援策の拡充に期待、年後半は金融緩和も若干強化の可能性

■上記以外にも、社会融資総量など、8月発表の多くの指標は市場予想を下回りました。内需をテコ入れするには、景気支援策の拡充が必要との期待が高まっています。安定した物価、余力のある財政状況などが、こうした期待を支えています。

■一方、7月の貿易黒字は過去最高の473億米ドルとなりました。外需は当面景気を支えそうです。

■中国株は、景気下振れを回避できるとの安心感などから上昇傾向にあります。この株高を踏まえたうえでも、歴史的に見て、また、先進国と比較して、割安なことに変わりは無いと見られます。

■今後の株価は、改革の進展や企業業績の回復期待、相対的に高い成長力への評価などから、緩やかな上昇基調を続けるものと思われます。 

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