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市川レポート

REPORT

適温相場は終了してしまったのか?

2018年02月20日

●適温相場は極めて特殊な状態であり、いずれは変化して、強気方向か弱気方向に傾くことになる。
●強気方向に傾く場合、中央銀行が金融政策の正常化を進めることで、適温相場は終了に向かう。
●弱気なら適温相場が続く可能性、ただ長期的に重要なのは金融正常化で適温相場を終えること。

適温相場は極めて特殊な状態であり、いずれは変化して、強気方向か弱気方向に傾くことになる

一般に適温相場とは、世界的に緩やかな景気回復と緩和的な金融環境が併存することにより、相場が強気過ぎず、弱気過ぎず、ちょうどよい加減にあることをいいます。これは、英国の童話「ゴルディロックスと3匹のクマ」に登場する少女ゴルディロックス(Goldilocks)が、クマの家で食べた、熱過ぎず、冷た過ぎず、ちょうどよい温かさのお粥にちなんでいます。

主要株価指数は1月下旬以降、米長期金利の上昇をきっかけとして、一気に調整色を強めました。そのため、このところ投資家の間では、適温相場は終了してしまったのかという声が聞かれるようになりました。まだ終了には至っていないと思われますが、そもそも適温相場は極めて特殊な状態であり、いずれは変化するものです。その場合、相場は強気方向へ傾くか、弱気方向へ傾くかのいずれかになります。

強気方向に傾く場合、中央銀行が金融政策の正常化を進めることで、適温相場は終了に向かう

適温相場の背景には、世界的に緩やかな景気回復と緩和的な金融環境があります。つまり、緩和的な金融環境が景気を支え、適度にリスクをとりやすい状態を生み出していると考えられます。この状態が続けば、相場は次第に強気方向へ傾き、景気も徐々に過熱することになります。金融市場では、株価が顕著に上昇し、また物価の伸びの加速などにより、長期金利が水準を切り上げる展開が見込まれます(図表1)。

中央銀行は、このように適温相場の温度が上昇した場合、バブルやインフレを防ぐ観点から、金融政策の正常化を進めます。その結果、金融環境の緩和度合いが低下し、経済成長が鈍化することで、適温相場は終了します。なお、1月下旬から2月上旬にかけての株安は、一部の米物価指標の上昇を受け、「米利上げ加速→米長期金利上昇→米景気失速→適温相場終了」という、極端に悲観的な見方も影響していた可能性があります。

弱気なら適温相場が続く可能性、ただ長期的に重要なのは金融正常化で適温相場を終えること

一方、適温相場は緩和的な金融環境が背景にあるため、弱気方向に傾いて、そのまま終了してしまう可能性は低いと思われます。例えば、適温相場が続くなかで、短期の循環的な景気減速局面を迎えたケースを考えてみます。その場合、金融市場では株価が調整色を強め、また物価の伸び悩みなどにより、長期金利が低位で推移する展開が見込まれます(図表2)。

中央銀行は、このように適温相場の温度が低下した場合、金融政策の正常化を見合わせます。その結果、緩和的な金融環境が維持され、適温相場の温度は、次第に元のちょうどよい加減に戻ることになります。一見、適温相場が続くこちらのケースの方が好ましく思われますが、本来、金融政策の正常化を進め、適温相場を波乱なく終了させることが長期的にはより重要なことです。そして、その成否は中央銀行の手腕にかかっています。

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