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市川レポート

REPORT

【No.518】今週の重要イベントの要点整理

2018年06月11日

●米朝首脳会談で、非核化の合意文書が交わされなくても、市場がリスクオフに傾く可能性は低下。
●今回のFOMCにサプライズは少なく、ECB理事会は政策見直しの大枠提示でユーロ反発継続か。
●日銀は政策据え置きで相場への影響は限定的、結果的に各重要イベントは無難に消化されよう。

米朝首脳会談で、非核化の合意文書が交わされなくても、市場がリスクオフに傾く可能性は低下

今週は、6月12日に米朝首脳会談、12日、13日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、14日に欧州中央銀行(ECB)理事会、14日、15日に日銀金融政策決定会合の開催が、それぞれ予定されており、重要イベントが目白押しです(図表1)。また、トランプ米政権は、15日までに中国による米知的財産侵害に対する制裁関税の最終案を発表し、その後すぐに発動するとしています。そこで、今回のレポートでは、各イベントの要点を整理します。

まず、米朝首脳会談について、これまでの報道によれば、非核化は会談を重ねて合意を目指す方向にあり、今回、合意文書は交わされない模様です。ただ、米国は、非核化の実現まで経済制裁は解除せず、拉致問題も提起するとしており、また、朝鮮戦争の終結合意についても示唆しています。具体的な成果は会談を待たざるを得ませんが、市場がリスクオフ(回避)に傾く可能性は低下しつつあるように思われます。

今回のFOMCにサプライズは少なく、ECB理事会は政策見直しの大枠提示でユーロ反発継続か

次に、FOMCについて、利上げはすでに織り込み済みであり、FOMC声明のフォワードガイダンスが修正されたとしても、現状の金融環境に即したものにとどまるとみられます。また、FOMCメンバーが適切と考える政策金利水準の分布図「ドットチャート」は、2018年末と長期(Longer run)の予想中央値が上方修正される可能性はありますが、この程度は想定の範囲内です。そのため、今回のFOMCにサプライズは少ないと考えます。

欧州中央銀行(ECB)理事会では、量的緩和政策の行方に市場の注目が集まっています。弊社は今回の理事会で、政策見直しの大枠(9月以降に資産購入額を徐々に減らし、年内に量的緩和政策を終了する方向性)が示されるとみていますが、減額の規模など、詳細の公表は、7月26日の次回理事会まで持ち越されると予想しています。金融政策の正常化が進むことが確認されれば、ユーロの対ドルでの反発は、しばらく続くと思われます。

日銀は政策据え置きで相場への影響は限定的、結果的に各重要イベントは無難に消化されよう

次に、日銀の金融政策決定会合について、弊社では金融政策の変更はないと予想しており、円金利や円相場への影響は限定的とみています。ただ、足元で物価の伸びがやや鈍化しているため、日銀がこれをどう評価するかは1つの注目点です。最後に、米国による対中制裁関税の最終案ですが、これはいつものトランプ流交渉術と考えられますので、実際に制裁が発動されるか否かについては、まだ流動的とみてよいと思います。

以上より、今週予定されている各重要イベントは、結果的に市場で無難に消化される可能性が高く、いずれも深刻な波乱要因にはならないとみています。ただ、北朝鮮の非核化問題や米中貿易摩擦問題は、解決に時間を要するため、一定の警戒感は市場に残ると考えます。そのため、ドル円と日経平均株価は、ともに明確な方向感が出にくい展開が今しばらく続くものと予想されます。

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