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市川レポート

REPORT

【No.568】日本株の急上昇時に注意しておきたい点

2018年10月01日

●9月中旬以降日本株の急ピッチの上昇を牽引したのは海外投資家による先物買いと推測される。
●そのため、日本株の強気見通しが大勢を占めるようになれば、それが海外勢の先物を売る誘因に。
●また想定シナリオの狂いや予期せぬリスクも先物売りの口実となるため、注意を向けておく必要あり。

9月中旬以降日本株の急ピッチの上昇を牽引したのは海外投資家による先物買いと推測される

日経平均株価は9月中旬以降、急ピッチで上昇しており、10月1日に終値ベースで年初来高値を更新しました。しかしながら、今のところ調整らしい調整はみられておらず、市場では相場の過熱感も指摘されています。そこで、今回の株価上昇を牽引している投資主体を探るべく、東京証券取引所が毎週公表している投資部門別売買状況のデータを確認してみます。

直近では、9月第3週(9月18日から21日)までデータが公表されていますが、この週、日本株を買い越した唯一の主体は海外投資家であり、日経平均株価は週間ベースで約775円上昇しました。そこで、7月第1週(7月2日から6日)以降の海外投資家の日本株売買状況について、先物も加えて見たものが図表1です。ここから、今回の日本株上昇を牽引したのは海外投資家の先物取引であることが推測されます。

そのため、日本株の強気見通しが大勢を占めるようになれば、それが海外勢の先物を売る誘因に

海外投資家による先物買いが日本株上昇の一因だったとすれば、彼らが再び先物売りを仕掛けた場合、思わぬタイミングで日本株が下落し得ることは、注意しておきたい点です。海外投資家が、先物売りのポジションを構築するにあたっては、それなりの明確な理由が必要です。以下、先物売りの理由になりそうなケースを3つ挙げて、それぞれ具体的にみていきます(図表2)。

1つめは、日本株の上昇が続き、市場参加者の多くが、日本株の強気見通しに傾いた場合です。株価の見通しが株高方向に偏るほど、株価急落時には、幅広い投資家の間で現物の狼狽売りが発生しやすくなります。したがって、強気の見通しが大勢を占めるようになった際、先んじて先物売りを仕掛ける行動は、大幅な株価調整と利益が見込まれるため、正当化されます。

また想定シナリオの狂いや予期せぬリスクも先物売りの口実となるため、注意を向けておく必要あり

2つめは、想定シナリオに狂いが生じた場合です。例えば、米国で予想を大幅に下回る経済指標が相次げば、「米通商政策では米国独り勝ち」という大方の見方に修正が入り、米国市場では株安、長期金利低下、ドル安の反応が予想されます。この場合、米国経済の減速が日本経済にも悪影響を及ぼし、ドル円はドル安・円高が進行するとの思惑が働きやすくなります。また、米中間選挙における上下両院での民主党勝利なども、先行き不透明感を強め、日本株の先物を売る格好の口実になります。

3つめは、予期せぬリスクが顕在化した場合です。これは今回に限ったことではありませんが、一般に、マクロ経済や企業業績、金融システムへの悪影響がすぐに計測しにくいようなショックが市場に発生した場合、いったん先物を売っておくことは合理的な行動です。これら3つのケースはあくまで想定ですが、日本株の上昇が続く現状、海外投資家の先物売りの口実となるような材料には、注意を向けておいた方が良いと思われます。

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