市川レポート

REPORT

【No.587】日本株~目先のイベントと方向感の整理

2018年11月05日

●10月の株価調整は、年初の推移とかなり似通っており、値動きの不安定さは幾分残る恐れがある。
●ただ、日経平均構成企業の純利益は中間決算で4.5%増、通期予想も改善し株価の下支えに。
●米中間選挙でねじれ議会となってもリスクオフは一時的か、むしろ選挙後の米中首脳会談に注目。

10月の株価調整は、年初の推移とかなり似通っており、値動きの不安定さは幾分残る恐れがある

日経平均株価は10月26日の取引時間中、21,000円を割り込み、一時20,971円93銭の安値をつけました。この水準でいったん下値が確認されると、日経平均株価はその後、徐々に水準を切り上げる展開となりました。そして11月2日の日本時間午後、トランプ米大統領が米中貿易合意の草案作成を指示との報道を受け、日経平均株価は一気に22,000円台を回復し、この日は22,243円66銭で取引を終えました。

しかしながら、米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長はその後、草案作成の要請は受けていないと発言したことで、週明け11月5日の日経平均株価は、寄り付き後、すぐに22,000円台を割り込む展開となりました。なお、10月の日経平均株価の調整は、年初の動きにかなり類似しています(図表1)。この先、年初のような二番底をつける展開が必ずしも見込まれる訳ではありませんが、値動きの不安定さは幾分残る恐れがあります。

ただ、日経平均構成企業の純利益は中間決算で4.5%増、通期予想も改善し株価の下支えに

そこで、日経平均株価の予想利益ベースの1株当たり利益(EPS)と株価収益率(PER)について、10月25日から11月2日までの推移を確認してみます。図表2をみると、3月期決算企業の中間決算発表が続くなか、EPSが緩やかに増加し、それとともにPERが上昇している様子がうかがえます。そのため、足元の日経平均株価の反発は、EPSの改善に裏付けられたものと解釈することが可能です。

なお、日経平均株価を構成する企業のうち、3月期決算の101社が11月2日までに中間決算の発表を終えています。最終的なもうけを示す純利益について、2018年4-9月期の前年同期比伸び率は11月2日時点で約4.5%になっています。また、純利益の通期予想は、前回の予想から約2.5%改善しており、こちらも日経平均株価を下支える材料になると考えられます。

米中間選挙でねじれ議会となってもリスクオフは一時的か、むしろ選挙後の米中首脳会談に注目

以上より、日経平均株価は業績対比で相対的に割安と思われ、今後は下げ過ぎた分を徐々に取り戻す展開が予想されます。ただ、今週は米中間選挙が11月6日に行われるため、目先の波乱材料として注意が必要です。なお、ねじれ議会はすでにコンセンサスとみられ、実際にねじれとなっても、市場のリスクオフ(回避)の動きは、短期間で収束する可能性もあります。

米中間選挙後の市場の焦点は、11月30日と12月1日にアルゼンチンで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議での米中首脳会談です。米中関係の改善期待につながる材料が確認できれば、日経平均株価は素直に上昇で反応すると思われます。弊社では、日経平均株価の年末着地水準について、11月5日時点で23,700円を想定しています。ただ、会談で何ら進展が見られず、市場に失望が広がった場合、日経平均株価がこの水準に達しないリスクは大きくなります。