市川レポート

REPORT

ここからの米国株

2019年04月10日

●ダウ平均、S&P500指数、ナスダック指数は年初から上昇、昨年の過去最高値水準を伺う展開。
●米企業の1-3月期減益見通しは織り込み済み、先行きの増益転換見通しが米国株の下支えに。
●米景気後退は回避され年内S&P500指数は最高値更新を予想、ダウ平均もその可能性は残る。

ダウ平均、S&P500指数、ナスダック指数は年初から上昇、昨年の過去最高値水準を伺う展開

ダウ工業株30種平均は4月9日、26,150ドル58セントで取引を終え、年初から12.1%上昇しています。過去最高値(終値ベース、以下同様)は2018年10月3日につけた26,828ドル39セントですが、その水準に近づきつつあります。一方、S&P500種株価指数は同日2,878.20ポイントで取引を終え、年初からの上昇率は14.8%です。過去最高値は2018年9月20日につけた2930.75ポイントで、最高値更新が視野に入っています。

また、ナスダック総合指数は同日7,909.28ポイントで取引を終え、年初からの上昇率は19.2%となり、ダウ工業株30種平均とS&P500種指数の上昇率を上回っています。その主な要因として、ナスダック総合指数を構成するアップルなどのハイテク銘柄が、年明け以降顕著に持ち直していることが挙げられます。ナスダック総合指数の過去最高値は2018年8月29日につけた8,109.69ポイントですが、その水準を伺う展開となっています。

米企業の1-3月期減益見通しは織り込み済み、先行きの増益転換見通しが米国株の下支えに

ここからの米国株を展望するにあたり、まず、米国企業の業績見通しを確認しておきます。S&P500種株価指数を構成する企業500社の1株あたり利益について、2019年1-3月期は市場で前年同期比2.5%の減益が見込まれています(図表1)。詳細をみると、11業種のうち、エネルギーと素材が大幅な減益見通しとなっており(それぞれ同21.2%減益、17.4%減益)、これが全体に影響していると思われます。

米国では、今週から主要企業の1-3月期決算発表が本格化します。ただ、減益見通しはすでに織り込み済みで、米国株式市場への影響は限定的とみています。むしろ注目は、この先の業績見通しです。市場では、2019年4-6月期以降、1株あたり利益が増益に転じることが予想されており、2019年通年では前年比3.1%の増益、2020年通年では同12.0%の増益が見込まれていることから、先行きの業績見通しは株価の下支え材料といえます(図表2)。

米景気後退は回避され年内S&P500指数は最高値更新を予想、ダウ平均もその可能性は残る

次に米国経済の見通しを確認します。成長ペースは足元で鈍化傾向にありますが、年央に底入れし、年後半にはやや持ち直すとみており、景気後退懸念は行き過ぎと考えます。また、米国の実質GDP成長率について、弊社は2019年が前年比+2.3%、2020年は同+2.0%を予想しています。米国の潜在成長率は1.9%程度と推計されるため、米国の経済成長率はこの先、潜在成長率の水準に収れんするという流れがメインシナリオです。

弊社は現時点で、ダウ工業株30種平均とS&P500種株価指数の年末着地水準を、それぞれ26,700ドル、2,950ポイントに設定しています。S&P500種株価指数は最高値更新の水準ですが、ダウ工業株30種平均は更新未達の水準です。ただ、ダウ工業株30種平均は、米中通商協議で追加関税の撤廃などの進展があれば、ボーイングやキャタピラーなど中国銘柄の追い風となり、年内最高値更新の可能性は残ると考えています。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。