市川レポート

REPORT

コロナ・ショックの影響を受けた世界経済の見通し

2020年04月17日

●米国経済は6月から正常化に向かい、2020年の実質GDP成長率は前年比-3.7%を予想する。
●中国の2020年の経済成長率は前年比+4.9%で、日本の2020年度は前年度比で-4.8%に。
●ユーロ圏の成長率は2020年が前年比-5.0%、引き続き、世界の感染動向と政策対応に注意。

米国経済は6月から正常化に向かい、2020年の実質GDP成長率は前年比-3.7%を予想する

弊社は4月16日時点で主要国・地域のマクロ経済見通しを更新しました。今回のレポートでは、米国、中国、日本、ユーロ圏の経済見通しを解説します。なお、見通しについては、「多くの国や地域で、感染抑制のための移動制限措置などが6月前後まで続くものの、7-9月期にはこれらの措置が緩和されて経済活動が再開し、経済対策効果によって、景気はその後も回復基調を維持する」というシナリオを前提としています。

はじめに、米国から確認していきます。米国では多くの州がロックダウン(都市封鎖)に踏み切った結果、1-3月期と4-6月期はマイナス成長となり、特に4-6月期の実質GDP成長率は、前期比年率で-25.8%まで落ち込む見通しです(図表1)。ただ、経済は6月から正常化に向かい始め、7-9月期以降はプラス成長に転じるとみています。通年の実質GDP成長率については、2020年が前年比-3.7%、2021年は同+4.0%を予想します(図表2)。

中国の2020年の経済成長率は前年比+4.9%で、日本の2020年度は前年度比で-4.8%に。

次に、中国の経済見通しを確認します。中国では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、1-3月期は大幅なマイナス成長が予想されます(なお、4月17日に発表された1-3月期の実質GDPは前年比-6.8%)。ただ、中国政府はすでに景気対策を強化する方針を決めており、製造業の生産活動は、4月から5月にかけて元の水準に戻ると考えます。そのため、実質GDP成長率は、2020年が前年比+4.9%、2021年は同+6.7%を見込んでいます。

日本については、緊急事態宣言が5月6日に予定通り解除されても、全国的な自粛は6月まで続くと想定しています。そのため、日本経済は1-3月期、4-6月期ともにマイナス成長となり、その後、経済活動は正常化へ向かうものの、そのペースは緩やかなものになるとみています。日本の実質GDP成長率については、2020年度が前年度比-4.8%、2021年度は同+2.7%を予想します。

ユーロ圏の成長率は2020年が前年比-5.0%、引き続き、世界の感染動向と政策対応に注意

最後に、ユーロ圏について、域内の新型コロナウイルスの新規感染者数は4-6月期にピークアウトすると想定しています。ユーロ圏経済は、米国、日本と同様、1-3月期、4-6月期ともマイナス成長に陥り、その後は世界景気の回復とともに、製造業の生産活動や輸出が持ち直し、成長ペースは徐々に上向くとみています。通年の実質GDP成長率は、2020年が前年比-5.0%、2021年は同+2.0%を予想します。

以上の見通しは、前述の通り、移動制限措置などが7-9月期に緩和され、経済活動が再開することを前提としています。そのため、中国で感染が再拡大した場合や、米欧での感染拡大が長期化した場合は、経済活動の再開時期が遅れ、景気の落ち込みが長期化する恐れもあります。現時点で、その可能性は低いとみていますが、引き続き新型コロナウイルスの世界的な感染動向や、各国の政策対応には注意が必要です。