ホームマーケットアジアリサーチセンターアジア・オセアニア豆知識「アジアを代表する豊かな国、シンガポール」

アジアを代表する豊かな国、シンガポール【アジア・オセアニア豆知識】

2018年9月26日

シンガポールの一人当たりGDPは2010年以降日本を上回り続け、アジアを代表する豊かな国となりました。経済開発庁による中央集権的な国家戦略の策定・遂行に加え、資源を持たないがゆえに人的資源の開発に力を注いできたことが経済発展の主因と言えます。具体的には英語やICT(Information & Communication Technology)を用いた教育の推進が挙げられます。

組織的かつ効率的な政策・競争力のある人材を背景に経済成長

 シンガポールは人口約560万人、面積は東京23区と同程度でありながら、一人当たりGDPは57,713米ドル(約650万円*1、2)とアジアを代表する豊かな国となっています。世界における人・物・金のハブとなることを目指し、シンガポール経済が発展する上で主導的な役割を果たしたのが「経済開発庁」です。成長産業や貿易などに関し組織的かつ効率的な政策および方針を立案し、着実に遂行しています。特に、観光産業については経済開発庁の主導で発展を成し遂げ、「海外からの訪問者」は10年間で約2倍伸び、1700万人以上(人口の約3倍)となっています*1

 また、シンガポールの経済発展を語る上で不可欠なのが、同国の教育システムです。シンガポールでは二言語教育政策が施行され、小学校から英語で授業が行われます。その上、アジアの他国同様、受験競争が大変厳しく、小学校卒業試験(PSLE)で将来が決まるとも言われます。教育予算の規模は国家予算の約2割を占め、1997年からは国際競争力強化を目的にICT教育マスタープランも開始しています。その結果、シンガポールの小・中学生は非常に高い学力水準を誇っています。さらに、国内で人材を育てるだけでなく、世界中から優秀な人材を集め、政府、研究機関、大学、企業が一体となって様々な分野での付加価値を高め、シンガポールの経済発展につなげています。

*1 2017年末現在 *2 2017年末現在の為替レート(1 米ドル=112.58 円)で換算