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「70都市住宅価格指数」は沈静化(中国) 【キーワード】

2016年8月22日

<今日のキーワード>
「中国主要70都市新築住宅価格指数」(以下、70都市住宅価格指数)は、中国国家統計局が主要70都市について平均的な販売用新築住宅価格を指数化したもので、毎月算出・発表されます。不動産に対する需要を見る指標です。7月も引き続き沈静化の動きが続いています。

【ポイント1】価格上昇都市数は51へ減少

下落都市数は16に増加

■18日に発表された7月の70都市住宅価格指数によれば、前月より価格が上昇した都市数は51となりました。2015年以降でみると、上昇した都市数は16年4月の65が最大で、3カ月連続の減少です。下落した都市数は16都市となり、前月(10都市)よりも増加しました。

■一方、前年比で見ると、7月に上昇した都市数は58、下落した都市数は11でした。

【ポイント2】不動産投資も鈍化傾向

3カ月連続で鈍化

■7月の不動産投資は前年同月比+5.3%と、4月の同+7.2%をピークに3カ月連続で伸びが鈍化しました。

【今後の展開】不動産価格の急落回避に向け難しいかじ取りが続く

■都市別にみると、合肥が前月比+4.2%、南京が同+3.4%と上昇率の高い都市がありますが、北京(前月比+1.5%)や上海(同+1.2%)、深セン(同+2.0%)などは低い上昇率に留まっています。昨年来の住宅市場の過熱を背景に、住宅購入刺激策の縮小や撤廃をする都市が増えつつあり、その効果が表れている可能性があります。

■共産党は7月26日に中央政治局会議で資産バブルの回避を機関決定しており、住宅投機の動きは引き続き抑制されると思われます。もっとも、不動産は家計にとって重要な資産の一部であるため、不動産価格が急落するようなことがあれば、家計のバランスシートを毀損する可能性があります。政府は難しいかじ取りを求められそうです。

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