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英地方選は与党が大敗、『Brexit』の今後は?

2019年05月08日

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英国が国民投票で欧州連合(EU)からの離脱(『Brexit』)を決めてから間もなく3年となりますが、メイ英首相の離脱協定案は議会で否決され、離脱期限は当初の3月29日から10月末に再延期されました。10月末に『Brexit』が行われるのか、合意なき離脱となるのか、EUに留まるのか、同問題は依然として不透明です。5月2日の英地方選では与党・保守党が歴史的大敗を喫し、メイ英首相の退陣も視野に入ってきました。

【ポイント1】英地方選、与党・保守党は大敗

『Brexit』進まず、保守党への審判が下される

■5月2日の英地方選ではEU離脱への取り組みを進める与党・保守党が大敗し、議席の3割近くを失いました。メイ英首相の求心力は更に弱まったと言えます。また、どっちつかずと見られた野党・労働党も議席を減らす結果となりました。

■一方、EU残留派の自由民主党や緑の党は大きく議席数を伸ばしました。

【ポイント2】欧州議会選挙など重要日程が続く

23日の欧州議会選でメイ英首相は退陣か?

■英国では5月23日に欧州議会選挙を行う手続きが進められています。その前に英国が離脱協定を批准すれば同選挙は行われませんが、その可能性は低そうです。英国で欧州議会選挙が実施されない場合は、EUの定めにより合意の有無に関わらず、英国は『Brexit』することとなります。

■メイ英首相は合意なき離脱を盾に、議会に協定案の承認を迫るものと思われます。欧州議会選挙が行われれば、『Brexit』交渉を迷走させた保守党はもちろん、労働党にも厳しい状況が予想されています。

【今後の展開】9月保守党大会、10月EU首脳会議を経て、新たな局面も

■9月29日から保守党の年次党大会が予定されています。その際にはメイ英首相は既に辞任しているか、していなければ党大会前に党首選が実施され、新たな保守党党首の下で新たな離脱方針が示されるかもしれません。また、EU残留派の支持率が伸びていることなどから、『Brexit』の是非を問う2度目の国民投票の可能性も残ります。

■英国内の状況については上述のように不確定要素が多い一方で、10月のEU首脳会議は17~18日に予定されており、離脱期限である10月末までの時間はあまりありません。そのため、『Brexit』期限の再延長も、ないとは言えない状況と思われます。年末、あるいは翌年の3月末まで更に延期される可能性もあります。