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2015年を振り返るキーワード  「チャイナ・ショック」(グローバル)【キーワード】

2015年12月8日

<今日のキーワード>
世界の主要株式市場は、8月に「チャイナ・ショック」と呼ばれる世界同時株安に見舞われ、9月にも影響が残りました。中国景気の減速から世界経済の減速懸念が強まり、世界的な株安へと波及しました。米国の利上げへの思惑や中国人民銀行による人民元の切り下げも、投資家の警戒感を強めました。NYダウは一時1日で1,000ドルを超えて下落し、日本や欧州などの先進国や新興国でも株安の連鎖が広がりました。

【ポイント1】世界経済の減速懸念により、世界同時株安へ

中国では景気底割れ懸念が強まる
■上海総合指数は、6月に年初来高値をつけた後、急ピッチでの上昇に対する警戒から下落傾向となりました。追加金融緩和や矢継ぎ早の株価対策などから、同指数はいったんは下げ止まりの様相を見せましたが、8月半ば以降、世界的な株安へ進展しました。

■8月に公表された中国の輸出入の減少や製造業購買担当者景気指数(PMI)などの下振れに加え、中国人民銀行(中央銀行)の8月11日の人民元切り下げが輸出拡大のための人民元の切り下げと受けとめられたことも、中国経済の景気底割れ懸念の拡大につながりました。

【ポイント2】歯止めは、米中の政策対応

中国経済の底割れ懸念も和らぐ
■株安の連鎖に歯止めをかけたのは、中国の政策対応と、米国の利上げ延期などです。中国は8月25日に追加金融緩和を決定し、また、公共投資などの財政支出拡大策を発表し、景気の底割れ懸念も和らぎました。

■米国は9月16日~17日の連邦公開市場委員会(FOMC)で一部で予想された利上げを見送り、低金利政策の維持を決めました。世界的に金融緩和環境が継続する期待から、投資家のリスク回避的な動きは落ち着きを取り戻しました。

【今後の展開】中国の景気下振れリスクへの注意も必要

世界の金融政策が景気と市場の鍵
欧州の追加緩和期待も、世界の株式市場をサポートしました。米国では緩やかなペースの利上げが12月に開始される見込みで、利上げ可能なほどの雇用や経済の好調さは株式市場の支援材料と見られます。

中国の景気減速には注意が必要
中国では、来年の政府目標の方針決定をにらみ、政策期待が高まっています。一方、供給過剰産業での構造調整圧力も強く、景気の下押し圧力として残ると考えられます。中国の景気下振れリスクにはなお注意が必要と見られます。

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