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『5G』が米韓で開始、自動運転・AIにも期待

2019年5月17日

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今年は『5G』元年と言われます。『5G』とは次世代の無線通信規格で、4月には米国や韓国の一部で商用サービスが始まりました。来年春には日本でも商用サービスが開始される予定です。『5G』の普及は、自動運転や人工知能(AI)の発展にもつながるものと期待されます。通信関連企業にとどまらず、自動車・ITなどの幅広い産業において、各社の対応・取り組みが注目されます。

【ポイント1】『5G』の特長は高速大容量、低遅延、多数同時接続

4月に米国、韓国の一部で『5G』のスマホ向け商用サービスが開始

■『5G』の特長は高速大容量、低遅延、多数同時接続です。4Gに比べ最大で約100倍の高速、大容量を目指しています。『5G』の特長をいかしたサービスとして、高速大容量では、高精細な8K映像や警備会社の監視カメラの映像などの大容量配信が、低遅延では自動運転や遠隔医療、ドローンが、多数同時接続ではIoT(モノのインターネット)などがあげられます。

■4月に米国、韓国の一部では『5G』のスマホ向け商用サービスが始まりました。今のところ、対応機種が限られているほか、基地局の整備不足などから、通信速度が事前に想定されていたほど速くないなどの問題も指摘されていますが、今後普及が進むにつれて、状況は改善に向かうものと思われます。

【ポイント2】『5G』は自動運転に必要不可欠

『5G』商用化開始で自動運転の開発も加速へ 

■『5G』の影響が大きいとみられるのが自動車産業です。自動運転は車に積んだカメラやレーダーで集めた膨大な情報をクラウドに送り、AIで分析してリアルタイムで遠隔処理します。それには『5G』の高速大容量、低遅延という特性が欠かせません。したがって『5G』の商用化開始は自動運転の開発加速にもつながるといえます。

■1月に米国のラスベガスで開催された世界最大の家電見本市「CES」では、米半導体大手クアルコムが、『5G』を使って人や道路インフラ(信号機や標識など)についての情報を処理する自動車通信システムの実証実験を実施したほか、運転などをサポートするAIを使った車載システムの最新版を公開しました。

【今後の展開】『5G』や自動運転、AIは中長期的に有望な成長分野に

■「CES」を主催する全米民生技術協会は、2020年にはほぼ自動運転といえる高度技術が実用化され、2030年には人間による作業が不要な完全自動運転が実用化されるとの見方を示しています。『5G』や自動運転、AIは、相互に関連しつつ今後も中長期的に有望な成長分野として意識され続けるとみられます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

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