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「日銀当座預金」とマイナス金利(日本) 【キーワード】

2016年6月16日

<今日のキーワード>
「日本銀行当座預金」とは、日本銀行(以下、日銀)が取引先の銀行や証券会社等から受け入れている当座預金のことです。日銀は、マイナス金利導入にあたり、「日銀当座預金」を「基礎残高」、「マクロ加算残高」、「政策金利残高」の3つに分け、それぞれプラス0.1%、ゼロ%、マイナス0.1%の金利を適用しています。マイナス金利の適用を一部にとどめることによって、金融機関の収益を過度に圧迫することを回避しています。

【ポイント1】マイナス金利適用残高は約21兆円

当座預金残高全体の10%弱

■プラス0.1%が適用される「基礎残高」は、昨年1年間の当座預金の平均残高である約220兆円から、所要準備額(日銀に必ず預けなければいけない金額)に相当する約9兆円を差し引いた約210兆円です(5月中旬時点)。ゼロ金利が適用される「マクロ加算残高」は、所要準備額、貸出支援基金と被災地支援オペ、日銀が一定の計算により適宜加算する金額が対象です(約45兆円、同時点)。マイナス0.1%が適用される「政策金利残高」は、「日銀当座預金」-「基礎残高」-「マクロ加算残高」で求められます(約21兆円、同時点)。マイナス金利適用額は、当座預金残高全体の10%弱にとどまっています。

【ポイント2】マイナス金利残高は減少

都銀のマイナス金利残高がゼロに

■日銀は、金融機関への悪影響を抑制するため、マイナス金利の適用ルールを定期的に見直し、「政策金利残高」を原則10兆~30兆円程度に調整する方針を示しています。「政策金利残高」は、2月から4月までの積み期間(各月16日~翌月15日)で、若干減少しました。これは、 4月の積み期間から 「政策金利残高」が下がるように、日銀がルールを調整したことが主因です。この結果、都銀は、マイナス金利適用残高がゼロになりました。

【今後の展開】日銀の調整で、マイナス金利適用額は抑制される見込み

■日銀は6月9日に、6月から8月の積み期間におけるルールを見直し、「政策金利残高」が概ね10兆円台となる見通しだと発表しました。マイナス金利適用額はやや減少する見込みで、金融機関の負担が減ることになりそうです。

■マイナス金利適用残高を金融機関別にみると、その他準備預金制度適用先(ゆうちょ銀行等)や信託銀行の残高の多さが目立ちます。今回の日銀の調整は、これらの金融機関にとって恩恵が大きいと思われます。

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