マーケットレポート

MARKET REPORT

積み上がった日本株の『ショートポジション』

2019年10月03日

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日経平均株価は、米中対立激化など懸念材料が多いなか、9月3日から10営業日連続で上昇しました。この背景には9月13日の「SQ」(*)に向けて市場で積み上がった『ショートポジション』の買い戻しがあったとみられています。ここではネット裁定残高や空売り比率等の「需給関連指標」に注目して、日本の株式市場の『ショートポジション』の状況と今後の市場への影響について考えてみたいと思います。

【ポイント1】「SQ」を挟んだ上昇は『ショートポジション』の買い戻しが影響

■日経平均株価は、9月3日から10営業日連続で計1,381.13円上昇しました。9月13日の「SQ」に向けて市場で積み上がった『ショートポジション』の買い戻しが影響したとみられています。投資家心理が過度に弱気となり、先物売りや空売りなどで『ショートポジション』が積み上がると、その影響でネット裁定残高は減少、空売り比率は上昇、信用売り残高は増加する傾向がありますが、依然としてそうした状況にあります。

【ポイント2】積み上がる『ショートポジション』

ネット裁定残高はマイナス、空売り比率は高水準

■「SQ」は通過しましたが、『ショートポジション』は積みあがったままです。ネット裁定残高は9月27日時点で▲4.52億株と極めて低水準にあります。マイナスは、国内大手銀行が破綻・一時国有化された1998年と、英国が欧州連合(EU)離脱を決めた2016年、及び2018年に示現しましたが、6営業日以内に収束しました。今回は74営業日連続で売り超となっており異例な状況となっています。

■空売り比率は一般に40%を超えると高水準とされますが、3月5日~10月1日まで140営業日連続で40%超が続いています。また信用売り残高も9月27日現在、昨年末比約+0.34兆円の1.0兆円まで増加しており、現物株の『ショートポジション』も高水準です。

【今後の展開】『ショートポジション』の解消は相場上昇加速要因

■『ショートポジション』が積み上がった背景には、米中貿易摩擦など懸念材料が相次ぎ、市場心理が弱気に偏り、先物、現物株にショートが入る一方、日本銀行のETF買いや自社株買いが継続的に入り、想定ほど株価が下落せず、買い戻す機会が少なかったことなどによるとみられます。相場の上昇には外部環境の改善などなんらかの条件が必要ですが、積み上がった『ショートポジション』の買い戻しが上昇を加速させる要因になると考えられます。

*株価指数の先物取引やオプション取引などを、決済期日で決裁するための「特別清算指数」