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『街角景気』、現状判断が改善も先行きは悪化

2020年8月13日

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「景気ウォッチャー調査」、いわゆる『街角景気』とは、景気に敏感なタクシー運転手や小売店、メーカー、輸送業、広告代理店など、地域の景気の動きを敏感に観察できる立場にある約2,000人を対象とした調査です。7月の『街角景気』は、現状判断指数(DI)が3カ月連続で改善したものの、先行き判断指数(DI)は新型コロナウイルス感染の再拡大を受けて3カ月ぶりに悪化し、先行きの慎重な景況感が明らかになりました。

【ポイント1】現状判断DIは3カ月連続改善

先行き判断DIは3カ月ぶりに悪化

■7月の『街角景気』によると、現状判断DI(季節調整値)は前月比2.3ポイント上昇の41.1となり、3カ月連続で改善しました。項目別にみると、出遅れていた企業動向関連、雇用関連が回復し、家計動向関連は横ばいでした。

■一方、2~3カ月後を占う先行き判断DIは、コロナ感染の再拡大を警戒して、前月比8.0ポイント低下し、36.0となりました。項目別では家計動向関連、企業動向関連、雇用関連の全てで下落しました。家計動向関連の細かな業種分類では、旅行・交通関連、レジャー施設、飲食関連の下落が目立ちました。

【ポイント2】「コロナ・肺炎」が再び増加

「キャンペーン」も高水準

■街角の声をより客観的に分析する、当社独自のテキストマイニングによる分析手法(*)によると、ウォッチャーの先行き判断に関するコメントは、ポジティブな単語の使用比率がネガティブな単語を3カ月連続で上回ったものの、コロナの感染拡大を警戒する声が多く上がりました。

■「コロナ・肺炎」が再び増加し、「キャンペーン」が高水準となりました。「(Go To Travel)キャンペーン」は前向きのものばかりではなく、花火大会などの各種イベント中止、外出自粛の影響などを懸念する声も多くみられました。

(*)テキスト(文書)をコンピュータで探索する技術の総称。典型的な例として、テキストにおける単語の使用頻度を測定し、テキストの特徴を統計的に分析・可視化することで、背後にある有益な情報を探ることができます。

【今後の展開】コロナの感染状況が景況感を左右

■内閣府は『街角景気』の基調判断を「新型コロナウイルス感染症の影響による厳しさは残るものの、持ち直しの動きがみられる」で据え置きました。ただ、先行きについては「感染症の動向を懸念しつつも、持ち直しが続くとみている」から「持ち直しへの期待がみられるものの、感染症の動向に対する懸念が強まっている」に変更しました。引き続きコロナの感染状況に景況感が大きく左右される展開が続きそうです。

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