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「ベージュブック」、景気、物価とも良好(米国)【キーワード】

2016年10月24日

<今日のキーワード>
「ベージュブック」は、米国に12ある地区連邦準備銀行(地区連銀)が、管轄地域の経済状況をまとめた「地区連銀経済報告」のことです。表紙のベージュ色が名前の由来であり、経済情勢についての総合判断、主要産業の動向や雇用・物価動向などがまとめられています。「ベージュブック」は、年に8回開催される連邦公開市場委員会(FOMC)の2週間前の水曜日に公表され、金融政策の判断材料として用いられます。

【ポイント1】経済活動への評価は、「ほとんどの地区が緩やかなペースで拡大」

将来の見通しも概ね良好

■10月19日に公表された最新の「ベージュブック」は、「全米の経済活動は拡大を継続し、ほとんどの地区が穏やかなペースで成長した」と総括しました。9月7日に発表された前回報告とほぼ同じ評価です。先行きの見通しについても、概ね良好と判断されました。

【ポイント2】労働需給は引き続き逼迫

物価上昇圧力は軽微

■各論を見ると、まず個人消費については、全体的に「まちまち」との評価でした。小売売上高は大半の地区で増加したものの、自動車販売や旅行は地域によって好調・不調が分かれました。

■建設・不動産は、商業用、住宅ともに好調を持続し、銀行の貸出需要も拡大が報告されました。他方、製造業は、業種によって「まちまち」との評価でした。輸出関連業種では、ドル高の影響が指摘されました。

■労働市場については、需給の逼迫と堅調な賃金上昇が報告されました。特に、製造業やトラック輸送、医療といった業種での労働力不足が目立ちました。

■物価上昇圧力は、原材料価格の落ち着きなどから緩やかでした。

【今後の展開】物価安定のもとでの緩やかな景気拡大が続く見込み

■11月のFOMCは据え置きの見込み
物価安定を示唆する今回の「ベージュブック」に加え、11月8日に米大統領選挙を控えていることを踏まえると、11月1~2日に開催される次回FOMCでは、政策金利は据え置かれる可能性が高いと考えられます。

■金融資産に有利な環境が当面続く見通し
米国の経済は拡大局面にありますが、物価が安定しているため、利上げは継続されたとしても、そのペースは緩慢となる見込みです。株式をはじめとする金融資産にとって良好な環境が当面続くと予想されます。

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