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米国『大統領選挙』は最後まで波乱の展開

2020年11月5日

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米国では3日、共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領が争う『大統領選挙』の投票が行われ、開票が進んでいます。選挙結果が投票日翌日になっても決まらず、今後、郵便投票の開票で決することとなる異例の大接戦となりました。新型コロナの影響で郵便投票が大幅に増加しており、激戦州での再集計や選挙結果に関する法廷闘争も考えられるため、政治的な混乱が見込まれますが、早期の収束が望まれます。

【ポイント1】米国『大統領選挙』の開票進み、大接戦の状況

■米国では3日、『大統領選挙』の投票が行われ、開票が進んでいます。米国の『大統領選挙』は州ごとに勝敗を決め、各州に割り当てられた「選挙人」を獲得し、過半数となる270人以上を得た候補者が当選となります。

■激戦州の内、フロリダとアイオワに勝利し優勢が伝えられていたトランプ氏は4日未明、勝利宣言を行うと共に、「投票日以降の集計は止めるべき」と訴え、法廷闘争を起こし最高裁まで争う姿勢を示しました。一方、バイデン氏は優勢とされる「郵便投票の開票を忍耐強く待つ」とコメントすると共に、「集計は最後まで続けるべき」と訴えました。

■今回、新型コロナの影響で郵便投票を含めた期日前投票が非常に多くなり、開票の遅れているペンシルベニアなどの集計によって結果が左右されます。法廷闘争の対象となり、政治的な混乱が想定されます。

【ポイント2】議会選挙の結果は、現状維持の見込み

■同時に行われた議会選挙では、事前の予想通り下院は民主党による過半数維持が見込まれますが、上院は接戦の結果、共和党が制することとなりそうです。米議会は選挙前と同じねじれ状態が継続し、どちらが大統領になっても慎重な政権運営が必要となります。

【今後の展開】早期の『大統領選挙』決着と、各種対策の実行が望まれる

■大方の事前予想はバイデン氏優位でしたが、想定以上のトランプ氏の健闘により、『大統領選挙』の結果は開票が遅れている州の郵便投票の集計によることとなったため、今後は激戦州での再集計や選挙結果に関する法廷闘争など、政治的な混乱が想定されます。

■4日の米国市場は、法人増税や企業への規制強化などの懸念が後退し、3日に引き続き株価は上昇しました。一方、巨額の財政支出の可能性も低下し、国債利回りは大幅に低下(国債価格は上昇)しました。

■政治混乱の長期化はリスク要因ですが、どちらが大統領になったとしても、積極的な金融緩和は継続され、新型コロナを抑制しつつ追加の景気対策を行う必要があることから、株価にはポジティブな環境が継続しそうです。

■足元、欧米を中心に新型コロナの感染再拡大が勢いを増しているため、米国の政局が落ち着きを取り戻し、感染抑制策や追加の経済対策が早急に図られることが望まれます。

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