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政権運営の鍵を握るジョージア州上院『決選投票』

2021年1月6日

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米国ジョージア州では5日、2議席を争う上院『決選投票』が行われ、開票が進んでいます。11月3日に行われた大統領選挙では民主党のバイデン氏が勝利をおさめました。同日に行われた連邦議会選挙では、下院は民主党が制しましたが、上院は、今回の『決選投票』で勢力が決します。上院は主要人事の承認権限や法案成立に大きな影響力を持っているため、バイデン次期大統領の政権運営の面からも注目が集まっています。

【ポイント1】米国ジョージア州は上院『決選投票』を実施

■米国南部のジョージア州では5日、共和党現職のロフラー、パーデュー両候補に、民主党新人ワーノック、オソフ両候補が挑む上院『決選投票』が行われました。即日開票が進んでいますが、接戦となっていることから結果の判明に時間を要する可能性もあります。

■同州では、11月3日の上院選挙でいずれの候補者も過半数の得票を得られなかったため、今回の『決選投票』となりました。上院は定数100の内、既に共和党が50議席を民主党が48議席を獲得しています。『決選投票』で民主党が2議席を獲得すると、上院は50議席対50議席となりますが、上院議長に就任予定のハリス次期副大統領が最終決定票を持つこととなるため、実質的に民主党の勝利となります。

【ポイント2】『決選投票』結果は政権運営を左右

■11月3日に行われた大統領選挙では民主党のバイデン氏が勝利をおさめ、連邦議会選挙では民主党が下院を制しました。

■米国では主要人事は上院の承認が必要であり、政策を実現するためにも上院の協力が不可欠であることから、今回の『決選投票』で民主党が勝利し上院も制することになれば、バイデン次期大統領の政策の実現性が高まります。一方、共和党が1議席でも取り上院を制することになると、バイデン次期大統領の政権運営の自由度は大きく制限されることとなります。

【今後の展開】政治の季節が過ぎ、今後は経済回復に期待

■今回の『決選投票』の結果が僅差の場合、最終決着までには数日かかることもあり得ますが、6日には上下両院合同会議でバイデン氏が正式に次期大統領に選出され、20日には新大統領の就任式が行われる予定となっており、政治の季節は終わりを迎えます。

■米国では新型コロナワクチンの接種が開始されましたが、1日当たりの新規感染者数は依然として高水準で、景気への影響が懸念されています。今後は、新大統領と連邦議会が協力しながら、早期に追加経済対策を実現し、経済回復を確かなものにすることが期待されます。

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