ホームマーケット日々のマーケットレポートトルコの金融政策(2016年7月) 金利誘導レンジ上限を5カ月連続引き下げ/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

トルコの金融政策(2016年7月)
金利誘導レンジ上限を5カ月連続引き下げ 【デイリー】

2016年7月20日

【ポイント1】上限金利を0.25%引き下げ

主要な政策金利は据え置き

■トルコ中央銀行(以下、中銀)は19日、金利誘導レンジ上限の翌日物貸出金利を0.25%引き下げ、8.75%とすることを発表しました。5カ月連続の翌日物貸出金利引き下げです。中銀は、「最近、国内の出来事が市場の変動を引き起こした」と15日に起きたクーデター未遂に言及し、流動性供給が市場変動を和らげたと説明しました。

■一方、主要な政策金利である1週間物レポ金利は7.50%に、金利誘導レンジの下限の翌日物中銀借入金利は7.25%に、それぞれ据え置きました。

【ポイント2】今後も上限金利引き下げ

■6月の消費者物価指数は前年同月比+7.64%と、食品価格上昇の影響で、前月から上昇しました。中銀の物価目標(+5.00%)を上回っているため、中銀は金融引き締め姿勢を続けるとしています。

■中銀は今後も1週間物レポ金利を据え置きながら、翌日物貸出金利を引き下げ、金利コリドー幅(誘導レンジ)の縮小を継続すると見込まれます。

【今後の展開】リラは落ち着きどころを探る

■クーデター騒動を受けてトルコリラは対米ドルで急落しました。格付け機関のムーディーズ・インベスターズ・サービスは、トルコの長期発行体格付けを格下げ方向で見直すと発表しており、地政学リスクを敬遠する動きが強まる可能性があります。クーデターは未遂に終わりましたが、トルコリラは当面落ち着きどころを探る展開となりそうです。

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