ホームマーケット日々のマーケットレポートトルコの金融政策(2016年8月) 金利誘導レンジ上限を6カ月連続引き下げ/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

トルコの金融政策(2016年8月)
金利誘導レンジ上限を6カ月連続引き下げ 【デイリー】

2016年8月24日

【ポイント1】上限金利を0.25%引き下げ

■トルコ中央銀行(以下、中銀)は23日、金利誘導レンジ上限の翌日物貸出金利を0.25%引き下げ、8.50%とすることを発表しました。6カ月連続の翌日物貸出金利引き下げです。

■一方、主要な政策金利である1週間物レポ金利は7.50%に、金利誘導レンジの下限の翌日物借入金利は7.25%に、それぞれ据え置きました。

【ポイント2】今後も上限金利引き下げ

■7月の消費者物価指数は前年同月比+8.79%と、前月から上昇しました。中銀の物価目標(+5.00%)を上回っているため、中銀は金融引き締め姿勢を続けるとしています。

■ただし、実質的には、景気の先行き不透明感が広がる中、翌日物貸出金利の引き下げによって金融緩和方向にシフトしているものと考えられます。

■中銀は今後も1週間物レポ金利を据え置きながら、翌日物貸出金利を引き下げ、金利コリドー幅(誘導レンジ)の縮小を継続すると見込まれます。

【今後の展開】トルコリラは安定を模索へ

■7月のクーデター未遂の後、トルコリラは対ドルで過去最安値を付けましたが、米国の利上げ観測が後退したことで新興国通貨が選好され、反発しました。市場は平静を取り戻していますが、テロが相次ぐ中、政治的な混乱が起きれば資金逃避の懸念があり、トルコリラは当面安定を模索する展開となりそうです。

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