ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見るインド経済(2016年8月) 消費拡大により、年後半景気は上向きへ/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見るインド経済(2016年8月)
消費拡大により、年後半景気は上向きへ 【デイリー】

2016年9月2日

【ポイント1】GDP成長率は減速

年後半景気は上向きへ

■2016年4-6月期の実質GDP成長率は、前年比+7.1%と減速しました(2016年1-3月期:同+7.9%)。一方、インド準備銀行(中央銀行、RBI)が成長率予測に使う実質GVAは、前四半期の同+7.4%とほぼ同じ同+7.3%でした。両者が乖離した主因は、食料補助金の執行ペースが加速したことにあり、政府の財政規律維持重視から一時的なものと考えます。

【ポイント2】物価は足元連続で上昇

引き続き食品価格の上昇が寄与

■16年7月の消費者物価指数は前年同月比+6.1%と上昇しRBIの目標レンジ(+2%~+6%)の上限を超えました。主に食品(特に野菜)の上昇が寄与しました。今年6月までの干ばつが主因と思われます。

■今年のモンスーン期(6-9月)は、農産物生産にとって最も重要な7月に充分な雨が降り、順調に推移しています。既に物価上昇の主因と見られる野菜価格の伸び鈍化もあり、食品インフレ鎮静化の動きが見られます。

【今後の展開】景気は消費拡大が牽引

■順調なモンスーンの降雨による農産物生産増加や、8月以降の公務員賃金の引き上げを反映し、堅調な消費を中心として年後半にかけて経済は勢いを増すと見られます。

■また、RBIは、今後のインフレ低下を受けて利下げを行う可能性があります。消費の拡大による景気の好調に加え、インフレ低下による利下げも予想されることから、年後半にかけてインドの株式、債券、為替の堅調さが期待されます。

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