ホームマーケット日々のマーケットレポートインドの経済・市場動向(2018年6月後半)米中貿易摩擦が激化、通貨は安値圏、株式は小幅安

インドの経済・市場動向(2018年6月後半)
米中貿易摩擦が激化、通貨は安値圏、株式は小幅安【デイリー】

2018年6月20日

【ポイント1】インドルピーは年初来安値圏

米中貿易摩擦は一段と激化

■トランプ米大統領は15日、総額500億ドルに上る中国製品に25%の関税をかけると表明し、これに対し中国も同規模の対抗措置を発表しました。18日には、中国からの輸入品2,000億ドル相当に追加関税を検討するよう指示すると、中国は直ちに対抗する姿勢を示すなど、米中貿易摩擦は一段と激化しています。

■今年の米利上げ見通しが3回から4回に修正されドル高圧力が強まるなか、米中貿易摩擦の激化も加わり、アジア通貨は対ドルで下落しています。インドルピーも軟調な展開となり、年初来の安値圏にあります。

【ポイント2】インド株式市場は高値圏維持

新興国市場のなかでは相対的にしっかりした動き

■米中貿易摩擦の再燃を受けて世界の株式市場が下落するなか、19日のインド株式市場は続落しました。ただし、主要株式指数のSENSEXは19日時点で前月末比ほぼ横ばいと高値圏を維持しており、新興国市場のなかでは相対的にしっかりした動きとなっています。

■6月は、医薬品株が大きく上昇し、相場を支えています。米食品医薬品局(FDA)から検査を受けていた主要企業の主力工場の米国向け出荷が再開される見通しになったことが好感されました。

【今後の展開】米中の深刻な貿易戦争は避けられる見通し

■米中両国は、今後も貿易摩擦問題を巡り激しい攻防を繰り広げるとみられますが、最終的には落としどころを探り妥協点を見出すことで、深刻な貿易戦争は避けられると思われます。株式市場は、中期的にはインド経済の成長加速を背景に底堅い展開が期待されます。インドルピーは、インド準備銀行が前倒しで利上げを行うなど、機動的な金融政策運営を行っていることも支えとなり、一段の下落には歯止めがかかるとみられます。

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