ホームマーケット日々のマーケットレポート豪雇用統計:雇用者増が継続も、失業率は横ばい(2019年6月)景気の拡大や米中摩擦への懸念後退などから豪ドルは回復へ

豪雇用統計:雇用者増が継続も、失業率は横ばい(2019年6月)
景気の拡大や米中摩擦への懸念後退などから豪ドルは回復へ

2019年7月18日

【ポイント1】雇用者数は増加が継続

失業率は横ばい

■2019年6月の雇用者数は、短期の変動を均したトレンド値でみて前月から+2.6万人増加し、伸びは前月の+2.7万人からほぼ横ばいとなりました。失業率のトレンド値は5.2%と前月から横ばいとなりました。

■雇用者数は増加が継続している一方、新たに職探しを始めて失業者としてカウントされる人も増えていることから、雇用者数の増加が失業率の低下につながらない状態が続いています。

【ポイント2】RBAは当面様子見へ

所得税減税法案が成立

■豪州準備銀行(RBA)は7月2日の金融政策決定会合で2会合連続の利下げを実施しましたが、その議事要旨が16日に公表されました。さらなる利下げの可能性を残しつつも、当面は様子見姿勢をとることを示唆する内容でした。

■7月に入って、中低所得者向けの所得税減税などを盛り込んだ減税法案が成立したほか、規制当局は住宅ローンの審査基準を緩和しました。これらも豪州経済をサポートするとみられます。

【今後の展開】利下げの効果や財政政策などに期待

■RBAが低下余地があるとみている失業率が下がらないことから、RBAはハト派的な姿勢を維持すると思われます。しかし、2回の利下げや減税などを受けて、当面は現行の金融政策を維持するとみられます。このため、金融政策面からの豪ドルに対する下押し圧力は一定程度和らぐとみられます。

■利下げや財政政策などを背景とした豪州の景気拡大や、6月末の米中首脳会談を受けた米中貿易摩擦へのいったんの懸念後退が、豪ドル相場の支援材料となることが期待されます。米中貿易摩擦などに起因する不透明感が解消したわけではないものの、目先は豪ドル相場が回復に向かう可能性が高まっているとみられます。

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