ホームマーケット日々のマーケットレポート中国株式市場の動向について  景気刺激策と国有企業改革に期待し上昇【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

中国株式市場の動向について  景気刺激策と国有企業改革に期待し上昇【デイリー】

2014年8月6日

【ポイント1】一連の景気刺激策が安心材料に

4-6月期の成長回復を好感
■H株指数(香港上場の中国企業の株価を示す)は7月末までに、3月につけた今年の安値から、20%超、上昇しました。上海総合指数も、4月の安値から約10%上昇しました。

■中国政府は4月以降、景気支援策を次々と発表し、景気回復期待が高まりました。実際に4-6月期のGDP成長率は前期から上昇し、足元の生産、固定資産投資、銀行貸出なども持ち直しました。

【ポイント2】国有企業改革の進展期待も株価上昇要因

市場原理導入で経営は効率化へ
■もう一つの株高要因として、国有企業改革への期待が挙げられます。国有石油大手・シノペックが小売部門に30%までの民間資本を受け入れた(※)ことなど、近年は足踏みしていた「民営化」が進む期待が高まっています。

■金融部門やエネルギー部門をはじめとした大型国有企業は、優良な資産や顧客基盤などを有しています。市場原理の導入により、企業の経営資源の効率的な利用が進むと思われます。

■民営化の改革機運が高まった2005年後半以降には、株価が上昇する局面も見られました。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

【今後の展開】景気回復は概ね織り込み済み、今後は改革による資金流入に期待

■2014年通年のGDP成長率が「+7.5%前後」の政府目標を達成することは、概ね織り込み済みと思われます。

■これまで投資の対象だった住宅市場では住宅価格が伸び悩んでおり、投資先を求めた新たな資金が株式市場に流入するかが今後の注目点のひとつです。

■政府は、金融市場を緩和方向に誘導(社債・地方債などの市場も育成)しているほか、インフラ投資も増額する予定です。こうした景気への安心感に加え、株価と企業収益の関係などから見ても、割高感が限定的なことは、好材料です。

■国有企業改革は、業績改善期待にもつながり、株式市場への資金流入要因となりそうです。

関連マーケットレポート