ホームマーケット日々のマーケットレポート鉄鉱石・石炭価格の動向 石炭は底堅いが、鉄鉱石の上値は重い展開へ/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

鉄鉱石・石炭価格の動向
石炭は底堅いが、鉄鉱石の上値は重い展開へ 【デイリー】

2016年9月15日

【ポイント1】石炭価格の上昇が顕著

原料炭は急騰

■石炭価格の上昇基調が続いています。発電用燃料などに使われる石炭のスポット価格は、4月初めの安値から4割程度の上昇となっています。また鉄鋼用の原料炭(コークス用途)価格は、足元急騰し、昨年末の安値から2倍以上となっています。

■一方、今年初から反転し、上昇基調で推移してきた鉄鉱石価格は、4月以降軟調に転じ、4月後半のピークからは10%以上下落しています。

【ポイント2】中国で石炭の減産が進む

種々の生産障害も上昇に拍車

■石炭市況については、中国政府による鉱山の生産能力削減や減産指導による需給改善が背景にあります。昨年末の中央経済工作会議で、中期的に石炭鉱山の生産能力を13%程度削減するほか、当面操業を年間330日から276日に抑える目標が設定されました。

■さらに、中国の産炭地から消費地への輸送インフラが洪水被害を受けたことや、原料炭に関しては中国の主力輸入先である豪州の主力石炭鉱山での生産障害発生などのニュースが、市況上昇に拍車をかけたことも指摘できます。

【今後の展開】石炭は底堅い値動きか

■石炭に関しては、洪水被害や、豪州の生産障害などの一過性要因で上昇した部分の反動が予想されますが、中期的には、底堅い市況が期待されます。中国の需給が引き締まっているうえ、世界的に新規の鉱山開発も限定的なためです。

■一方、鉄鉱石に関しては、上値は重いと見られます。中国政府の政策期待から鋼材市況上昇に期待して、鉄鉱石が買われた側面があるうえ、豪州やブラジルなどの主要生産国で大型鉱山の増産計画があるなど、需給実態は、予断を許さないためです。

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