マーケットレポート

MARKET REPORT

急落した原油価格(2018年11月)
イラン産原油の禁輸措置緩和等で需給悪化懸念が浮上【デイリー】

2018年11月15日

【ポイント1】価格は大幅に下落

1バレル当たり60ドルを割込む

■北米の代表的な原油価格であるWTI先物価格は、 10月3日の1バレル当たり76.4ドルを当面のピークに下落に転じています。11月12日には節目の同60ドルを割込み、翌13日に年初来安値となる同55.7ドルをつけました。10月3日の高値からは、約27%もの下落となります。

【ポイント2】需給悪化懸念が浮上

イラン産原油の禁輸措置を緩和

■原油価格急落の要因は、需給バランス悪化の懸念が強まってきたことによるものです。

■米中貿易摩擦の影響による中国経済の減速と原油需要の減退が懸念される一方、供給は拡大を続けています。米国のトランプ大統領は、経済制裁の一環として各国にイラン産原油の輸入禁止を要請しましたが、これを補うため今年7月以降、石油輸出国機構(OPEC)が協調減産の一部を緩和し、ロシア等とともに増産を進めてきたためです。

■さらに、トランプ大統領は、イラン産原油の禁輸について、11月5日に、日本を含む8カ国・地域に、一定期間の適用除外を認めました。

【今後の展開】12月のOPEC総会等で減産強化の合意がなるか

■11月11日に開催された主要産油国共同閣僚監視委員会(JMMC、OPECと協調減産に参加する非OPEC主要産油国の合同監視委員会)では、2019年の世界経済の減速と原油需給悪化の可能性が指摘されたほか、新たな生産調整の必要性が示唆されました。

■2019年の原油需給見通しによると、需給均衡のためには、OPECは生産量を、現行の生産枠である日量3,250万バレル(今年1~10月の生産実績は同3,251万バレル)よりも低い同3,151万バレルまで落とさなければなりません。12月のOPEC総会では、協調減産が焦点となりそうです。