ホームマーケット日々のマーケットレポート足元で上昇に転じた原油価格(2019年6月)7月初めの主要産油国の会合に注目

足元で上昇に転じた原油価格(2019年6月)
7月初めの主要産油国の会合に注目

2019年6月27日

【ポイント1】原油価格は足元で反発

米・イラン関係の緊迫化などが背景

■北米の代表的な原油価格であるWTI原油価格は、今年4月以降、軟調な動きとなっていましたが、6月に入って上昇に転じました。

■イランによる米国の無人偵察機の撃墜を受けた両国間の緊張の高まりに加え、米原油在庫の減少、米製油所の爆発などが背景にあります。

【ポイント2】OPEC産油量は低位推移

現状のままなら今年はやや需要超か

■6月13日に公表された石油輸出国機構(OPEC)月報の6月号によると、OPEC加盟国の原油生産量は低水準で推移しています。5月の生産量は日量で前月比▲23.6万バレルとなる2,988万バレルでした。

■2019年の原油需要見通しは、全世界で前年比+1.2%の日量9,987万バレルと予想されています。需給が均衡するにはOPEC加盟国で3,052万バレルの供給が必要とみられ、現状程度の産油量が続くならば、今年は需要が供給をやや上回りそうです。

【今後の展開】7月初めの主要産油国の会合では今後の減産幅に注目

■供給面では、産油国の政情不安に加え、米国とイランの対立が激化していることから、供給懸念が意識されやすい状況が続くとみられます。

■協調減産については、7月1日にOPEC総会、2日にOPEC加盟国および非加盟国の主要産油国による会合が開かれる予定です。協調減産自体は続くとみられているなか、7月以降の減産幅がこれまでの日量120万バレルからどの程度変更されるかが焦点となっています。

■需要面では、米中貿易摩擦の動向には注意を要しますが、ドライブシーズンに入った米国ではガソリン需要の高まりが期待されることなどから、需要は底堅い展開が見込まれます。米中貿易摩擦については、今週末の20カ国・地域(G20)首脳会議における米中首脳会談が注目されます。

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