ホームマーケット日々のマーケットレポート法人企業統計(2017年1-3月期)収益力は85年以降の最高水準を更新/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

法人企業統計(2017年1-3月期)
収益力は85年以降の最高水準を更新【デイリー】

2017年6月2日

【ポイント1】3四半期連続の増収

円安と景気回復が寄与

■財務省は1日、2017年1-3月期の「法人企業統計」を発表しました。全産業(金融業、保険業を除く、資本金10億円以上、以下同様)の売上高は、季節調整済み前期比で+3.5%と2四半期連続の増収でした。業種別に見ると、製造業が前期比+2.7%、非製造業が同+3.9%と、ともに増収となりました。製造業は円安と景気の回復を背景に数量が拡大したことが、非製造業は内需が持ち直したことがそれぞれ売上の増加に繋がったと見られます。

■経常利益は全産業が前期比+6.7%と4四半期連続の増益でした。製造業は同+22.9%と2四半期連続で2桁の増益であるのに対し、非製造業は同▲7.8%と2四半期連続の減益でした。非製造業では売上原価が売上の伸びを上回って増加しました。円安と原油価格の底入れによるコストの増加を価格に転嫁できなかったことで利益が圧迫されたと考えられます。

【ポイント2】収益力は85年以降の最高水準を更新

■収益力を測る尺度の1つである売上高営業利益率は全産業が8.4%と85年以降の最高水準を更新しました。けん引役となった製造業は9.7%と円安を追い風に最高水準を更新しました。非製造業は7.3%に低下しましたが、依然高水準を維持しています。

【今後の展開】4-6月期決算時には業績の上方修正が期待される

■今回の法人企業統計で、世界経済の拡大と円安が製造業を中心に業績を押し上げていることが確認されました。17年度の企業業績見通しは、企業の計画ベースでは、保守的な需要、為替見通し等を勘案して、前年度比+5%程度と慎重なものとなっています。為替レートの前提を1ドル105円~110円とする企業が多いようです。今後一層の円高が進まなければ、4-6月期の四半期決算時には業績の上方修正が行われ、株価のプラス要因になると期待されます。

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