ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見るブラジル経済(2015年3月)  輸出回復、企業・消費者信頼感の改善がカギ【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見るブラジル経済(2015年3月)  輸出回復、企業・消費者信頼感の改善がカギ【デイリー】

2015年3月25日

【ポイント1】生産、消費の低迷が継続

利上げや外需の弱さが影響
■1月の鉱工業生産指数は前年同月比▲5.2%と、2014年3月以降11カ月連続のマイナスになりました。また、同月の小売売上高は同+0.6%と伸び悩みました。利上げや外需の弱さが影響し、生産、消費ともに低迷しています。

■2月の輸出は同▲24.1%と、2014年8月以降7カ月連続のマイナスになりました。中国向け(全体の約11%)が1月、2月合計で前年比▲42.7%と大きく落ち込むなど、外需は全般に弱い状況です。

【ポイント2】中銀は利上げを継続

物価高を警戒
■3月前半の消費者物価指数は、前年同月比+7.90%となりました。電力、燃料、食品が主な押し上げ要因です。政府は、財政再建のために電力会社などへの補助金を削減し、公共料金の値上げを認める方向にあります。こうした政策は、物価を高止まりさせる要因の一つです。

■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は物価高を警戒し、昨年10月から3月まで4会合連続で政策金利を引き上げています。中銀は、次回会合(4月28日~29日)でも政策金利(現行12.75%)をさらに引き上げると見込まれています。

【今後の展開】通貨安による輸出増加、企業・消費者心理の改善に期待

■難しい経済情勢、増税などによる財政再建策、石油公社を巡る汚職問題などから、ルセフ政権への支持率が大幅に低下しています。3月半ばに反政府デモが全国的に発生したこともあり、政府は罰則強化などを盛り込んだ汚職対策法案を国会に提出するなど、国民の不満解消に取り組んでいます。

■中銀は、今年の経済成長率が潜在成長率を下回ると予想しています。世界経済の拡大や通貨安効果による輸出増加と、企業や消費者の信頼感の改善による経済活動の活性化に期待しています。政府の汚職対策や財政再建などにより政治不安が後退し、企業や消費者の信頼感が改善することが期待されます。

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