ホームマーケット日々のマーケットレポート堅調な米国の雇用統計(2016年8月) 市場予想には届かなかったものの、雇用、賃金とも堅調/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

堅調な米国の雇用統計(2016年8月)
市場予想には届かなかったものの、雇用、賃金とも堅調 【デイリー】

2016年9月5日

【ポイント1】雇用者数は15.1万人増

トレンドは月平均20万人超の増加

■2016年8月の非農業部門雇用者数は前月比15.1万人増となり、市場予想(ブルームバーグ集計)の同18.0万人増を下回りました。

■もっとも、7月の雇用者数が速報段階の同25.5万人増から同27.5万人増へと上方修正されたことを踏まえると、8月の雇用は実質的には事前予想に沿ったものだったと評価できます。雇用者数の3カ月移動平均は23.2万人と、20万人超の水準を維持しました。

【ポイント2】失業率は4.9%

賃金上昇率は前年比+2.4%

■他方、失業率は、前月比横ばいの4.9%でした。労働需要(就業者)と供給(労働力人口)が、同じようなペースで増えたためです。

■賃金上昇率は前月比0.1%増と、市場予想の同0.2%増を下回りました。前年同月比では2.4%増となります。伸び率は前月の同2.7%増から鈍化しましたが、労働需給が引き締りつつあることから、今後は徐々に加速する見通しです。

【今後の展開】株、債券はまちまちの反応

■雇用統計を受けた2日の米国株式市場は、上昇しました。景気が順調に拡大していることが確認できたこと、一方で9月の利上げ観測が多少後退したことが、株価上昇の背景です。

■これに対して米国債券市場では、9月利上げの可能性が完全に消えたわけではないとの見方も根強く、債券利回りは上昇しました。

■いずれにしても、米国の物価上昇率が低い水準で安定していることから判断すると、この先、利上げはあっても、そのペースは極めて緩慢なものにとどまる可能性が高いと考えられます。

■こうした点から、株価は当面、景気、企業収益の拡大を織り込む展開が続くと予想され、国債利回りも落ち着いた展開となる見通しです。

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