ホームマーケット経済指標解説2016年10~12月期実質GDP(第1次速報値)予測

2016年10~12月期実質GDP(第1次速報値)予測

2017年1月31日

●2月13日に発表される10~12月期第1次速報値では、実質GDP成長率は前期比+0.2%程度、前期比年率+0.8%程度を予測する。ESPフォーキャスト調査1月調査の予測平均値前期比年率+0.86%に近い数字になるとみた。

●10~12月期実質GDP第1次速報値では内需前期比寄与度は▲0.5%程度を予測する。個人消費は前期比0.0%程度とみた。8月・9月に6個の台風が上陸するなど天候不順で野菜が高かった影響などもあり家計調査からみて、もたつく可能性が大きいだろう。設備投資は第1次速報値段階で使用する供給サイドの関連データがしっかりした伸び率なので、前期比+1.0%程度になりそうだ。

●外需は、輸出が2四半期連続前期比増加になるとみた。外需の前期比寄与度は2四半期連続してプラス寄与になるとみた。

●個人消費の供給サイドの関連データである耐久消費財出荷指数の10~12月期前期比は+5.6%の増加になった。非耐久消費財出荷指数は同+0.9%の増加だ。同じく供給サイドの関連データである商業動態統計・小売業販売額指数の10~12月期前期比は+1.9%の増加だ。一方、需要サイドの関連データでは、家計調査・二人以上世帯・実質消費支出(除く住居等)の10~12月期前期比は▲2.1%と大きく減少した。乗用車販売台数の10~12月期前期比は+5.6%の増加だ。GDP統計の実質個人消費と関連性が高い消費総合指数(月次ベース)の10~11月分平均比対7~9月分平均比は0.0%となっている。関連データの12月分をみると、乗用車販売台数・前月比+3.3%、非耐久消費財出荷指数・同+0.1%と増加であるが、耐久消費財出荷指数・前月比▲0.9%、小売業販売額指数・同▲1.7%、家計調査・二人以上世帯・実質消費支出(除く住居等)・同▲2.1%と減少になっている。総合的に判断すると、10~12月期第1次速報値での個人消費の前期比は0.0%程度になるとみた。

●住宅投資は前期比▲2.4%程度とみた。先行指数である最近の新設住宅着工戸数・年率が5~7月の100万戸台をピークに減少傾向である(直近11月分は93.7万戸)ことなどを参考にした。

●設備投資の関連データである資本財出荷指数の10~12月期前期比は+2.0%の増加になった。資本財(除.輸送機械)は同+3.2%の増加である。また、建設財は同+2.3%の増加になった。供給サイドから推計される10~12月期の実質設備投資・前期比は+1.0%程度の増加になるとと予測した。

●在庫投資の前期比寄与度は▲0.4%程度とみた。ARIMAモデルにより内閣府が7~9月期GDP第2次速報値時点での情報を使って算出・公表した、10~12月期の原材料在庫の季調済実質値前期差は▲99億円、仕掛品在庫の季調済実質値前期差は+3424億円である。また、鉱工業在庫指数の前期比は、7~9月期は▲2.6%のマイナスだったが、10~12期は▲3.4%のマイナスになったことなどを考慮した。

●公共投資は前期比▲4.8%程度と前期比マイナスに転じると見た。公共工事出来高などを参考に予測した。

●実質輸出入の動向をみると輸出の10~12月期前期比は+2.7%の増加になった。輸入は同▲0.2%の減少になっている。10~12月期第1次速報値の外需のモノの面はかなりのプラス寄与になりそうだ。サービス面を考慮して、GDPの輸出の7~9月期前期比は+2.6%の増加、同輸入は同▲1.8%と予測した。10~12月期の外需の前期比寄与度は+0.7%程度のプラスになると予測する。

●10~12月期の実質GDP第1次速報値・前期比は+0.2%、前期比年率+0.8%と緩やかな伸び率であるものの4四半期連続のプラス成長になるので、景気の底堅さは示唆することになろう。