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2017年2月分機械受注

2017年4月12日

―2月分の機械受注(除船電民需)前月比は+1.5%と2カ月ぶりの増加―
―1月分は1件だった機械受注(除船電民需)大型案件、2月分も1件に―
―基調判断は6カ月連続「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に据え置き―
―機械受注(除船電民需)1~3月期見通し前期比+1.5%達成に3月分前月比+9.9%必要―
―2月分景気動向指数・改定値で機械受注(製造業)はCIの上方修正要因に―

●2月分機械受注(除く船舶電力の民需ベース、以下、除船電民需と表記)の前月比は+1.5%と2カ月ぶりの増加になった。事前の市場予想が3%台程度だったので、予想より弱かったと言われるが、製造業の前月比+6.0%、非製造業の前月比+1.8%を加重平均すれば3%台になるので、幅を持って解釈することも大切だろう。

●機械受注(除船電民需)の大型案件は、2月分は1件と1月分と同じになった。1月分に大型案件があったのは通信業の通信機ということだったが、2月分は「その他非製造業」の原子力原動機とのことだ。通信業の2月分は前月比▲31.4%と2ケタの減少になったが、「その他非製造業」の2月分は前月比+69.0%と大幅に増加した。

●2月分の製造業の前月比は+6.0%と1月分の▲10.8%の減少の反動もあり、2カ月ぶりの増加になった。トランプ米国大統領の政策実行力などに対し不透明感が高まったこと、緩やかに円高方向の動きが生じていることなどが影響しているのだろう。1月分の落ち込みを完全に埋めることができていない。製造業17業種中、8業種が増加で9業種が減少だった。

●2月分の非製造業(除船電民需)の前月比は+1.8%と、3カ月連続の増加になった。非製造業全体では前月比は+10.4%と2カ月ぶりの増加になった。電力業は1月分では原子力原動機1件の大型案件があった反動で2月分は前月比▲22.0%の減少になった。一方、船舶1件の大型案件があった運輸業・郵便業の2月分は前月比+22.9%の増加になった。非製造業12業種中、6業種が増加で6業種が減少となった。

●2月分の機械受注全体の大型案件は3件で、1月分の機械受注全体の大型案件の6件を3件下回った。民需以外は外需で1件だったということだ。

●1月分の外需は、火水力原動機2件、航空機1件、発電機1件の合計4件の大型案件があり前月比は+3.2%の増加だった。2月分の外需は、航空機1件の大型案件にとどまった反動もあり、前月比は▲1.1%の減少になった。

●中小企業の動きを反映している部分がある代理店受注の2月分前月比は+18.9%と2カ月ぶりの増加になった。前年同月比も+8.3%と2カ月ぶりの増加になった。

●内閣府の基調判断は、16年5月分で「機械受注は、足踏みがみられる」へと8カ月ぶりに下方修正となった。6月分も「機械受注は、足踏みがみられる」で判断据え置きになった。しかし、7月分では内容がしっかりしていることを受けて「機械受注は、持ち直しの動きがみられる」になった。3カ月ぶりに「持ち直し」の表現が使われた。基調判断の上方修正は15年10月分以来9カ月ぶりであった。8月分でも基調判断は据え置かれ「機械受注は、持ち直しの動きがみられる」に据え置かれていたが、9月分では2カ月連続減少になったことなどから、「機械受注は、持ち直しの動きに足踏みがみられる」に2カ月ぶりに判断修正、4カ月ぶりの下方修正となった。

●16年10月分・11月分・12月分・17年1月分に続き今回2月分でも、「機械受注は、持ち直しの動きに足踏みがみられる」に6カ月連続据え置きになった。

●1~3月期の機械受注(除船電民需)の見通しは前期比+1.5%の増加である。達成には3月分で前月比+9.9%程度が必要だ。実績は見通しを下回りそうだ。3四半期連続増加を維持できるかどうかが注目点だろう。内訳をみると、製造業の1~3月期前月期は見通しを下回りそうで、非製造業の1~3月期前月期は見通しを上回りそうだ。

●2月分景気動向指数・改定値では、先行CIに新たに加わる1月分実質機械受注(製造業)の前月差寄与度は+0.25程度になるとみた。在庫率関連データなどが4月14日発表の確報値段階でどのようにリバイスされるかにもよるが、先行CI・改定値の前月差は▲0.2程度と速報値の▲0.5から上方修正になろう。また、先行DIでは実質機械受注(製造業)の符号がマイナスになるとみて、50.0%程度と速報値の55.6%から下方修正になると予測する。