ホームマーケット経済指標解説2018年9月分東京都区部消費者物価指数について

2018年9月分東京都区部消費者物価指数について

2018年9月28日

―東京都区部消費者物価指数・生鮮食品を除く総合・前年同月比+1.0%、15カ月連続上昇―
―生鮮食品及びエネルギーを除く総合・前年同月比+0.7%、12カ月連続上昇―

●9月分の東京都区部消費者物価指数・総合指数は2015年を100として101.4となり、前年同月比は+1.3%と8月分より0.1ポイント上昇し、11カ月連続の上昇となった。一方、前月比(季節調整値)は0.0%で横這いとなった。

●9月分のエネルギー全体の前年同月比は+6.4%と8月分の+5.8%から上昇した。総合指数の前年同月比に対するエネルギーの寄与度差は+0.03%と総合指数と生鮮食品を除く総合指数の前年同月比上昇要因になった。 

●エネルギー分野の各項目では、まず原油市況や為替動向が遅れて反映される電気代の前年同月比は+5.2%と8月分の+4.6%から上昇率が高まった。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.02%とプラスになった。都市ガス代の前年同月比は+3.8%と、8月分の+3.5%から上昇率が高まったが、総合指数の前年同月比に対する寄与度差は0.00%だった。石油製品をみると、前回8月分で0.0%だったプロパンガスの前年同月比は今回9月分では0.0%と変わらなかった。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は0.00%だった。灯油の前年同月比は、8月分では+17.1%だったが、9月分では+16.5%に低下した。前年同月比に対する寄与度差は0.00%だった。一方、ガソリンの前年同月比は、8月分では+16.0%だったが、今回9月分では+17.0%の上昇率になり、総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.01%になった。 

●テレビやパソコン、エアコンといった教養娯楽用耐久財は9月分では前年同月比▲1.0%と、8月分の前年同月比▲2.9%から下落率が縮小し、総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.01%だった。また、家庭用耐久財は前年同月比▲3.1%で、こちらも8月分の前年同月比▲3.8%から下落率が縮小した。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.01%だった。 

●9月分の宿泊料は前年同月比+0.8%で、8月分の前年同月比+10.2%から上昇率が大きく鈍化した。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.16%だった。自然災害を気にしたインバウンドの鈍化が影響した可能性がある。一方、外国パック旅行費は、8月分では前年同月比+3.9%だったが、9月分は前年同月比+13.0%と2ケタの上昇率になった。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.07%だった。 

●8月分で前年同月比+8.9%だった生鮮食品は9月分では前年同月比+8.2%と落ち着いた動きになった。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.02%だった。 

●9月分の全国消費者物価指数・総合指数・財の前年同月比は+2.2%と8月分の同+1.9%から伸びを高め、総合指数の前年同月比に対する寄与度差は、+0.13%と物価上昇要因になった。生鮮食品を除く財でみると前年同月比+1.5%と8月分の+1.2%から上昇率が高まり、総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.15%だった。 

●9月分のサービスの前年同月比は+0.5%と8月分の同+0.7%から上昇率が鈍化し、総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.09%だった。内訳は公共サービスの総合指数の前年同月比に対する寄与度差は0.00%で、一般サービスの寄与度差が▲0.09%である。外食の前年同月比は8月分+0.9%から9月分+1.0%に若干上昇し、寄与度差は+0.01%。また、8月分の持家の帰属家賃は前年同月比+0.4%で7月分同+0.3%から若干上昇し、寄与度差は+0.02%になった。東京都区部固有の動きかもしれない。一方、下落方向に影響したのは通信・教養娯楽関連サービスだった。総合指数・前年同月比は8月分+1.9%から9月分+0.5%へと上昇率が鈍化し、寄与度差が▲0.11%だった。

●9月分の東京都区部消費者物価指数・生鮮食品を除く総合指数は2015年を100とした指数で101.0、前年同月比は+1.0%で、8月分の+0.9%から上昇となった。前年同月比は15カ月連続の上昇になった。 

●9月分の東京都区部消費者物価指数・生鮮食品を除く総合指数・前月比(季節調整値)は+0.1%だった。前月比は4カ月連続プラスになった。 

●9月分の生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は101.2で、前年同月比は8月分の+0.6%から若干上昇し、+0.7%になった。前年同月比は12カ月連続の上昇になった。前月比(季節調整値)は0.0%と横這いになった。