ホームマーケット経済指標解説2018年10~12月期実質GDP(第2次速報値)について

2018年10~12月期実質GDP(第2次速報値)について

2019年3月8日

―実質GDP成長率は前期比年率+1.9%に同+1.4%から上方修正―
―民間設備投資は前期比+2.7%に同+2.4%から上方修正―
―民間在庫変動は前期比寄与度0.0%に同▲0.2%から大幅に上方修正―

●18年10~12月期実質GDP成長率・第2次速報値は前期比+0.5%、前期比年率+1.9%となった。第1次速報値の前期比+0.3%、前期比年率+1.4%から上方修正となった。プラス成長は2四半期ぶりだ。

●10~12月期・第2次速報値の名目GDP成長率は前期比+0.4%、前期比年率+1.6%に、第1次速報値の前期比+0.3%、前期比年率+1.1%から上方修正となった。名目GDPの季節調整値は549.7兆円である。

●第2次速報値での、18暦年実質GDP成長率は前年比+0.8%に、第1次速報値の同+0.7%から上方修正となった。 

●10~12月期の個人消費・前期比は、前期比+0.4%と2四半期ぶりの増加になったが、第1次速報値の同+0.6%から下方修正となった。

●10~12月期の実質個人消費の内訳をみると、耐久財の前期比は+3.0%と3四半期連続の増加になった。半耐久財の前期比は+2.2%とこちらも3四半期連続の増加になった。非耐久財の前期比は▲1.6%と2四半期ぶりの減少になった。サービスの前期比は+0.9%と2四半期ぶりの増加に転じた。

●10~12月期の実質設備投資・前期比は第1次速報値の+2.4%から、法人企業統計を需要サイドのデータとして使った第2次速報値では同+2.7%へと上方修正された。

●10~12月期実質住宅投資は前期比+1.1%と第1次速報値と同じ増加率となった。

●10~12月期民間在庫変動の実質・前期比寄与度は0.0%と第1次速報値の▲0.2%から大きく上方修正された。民間在庫投資の内訳をみると、流通品在庫は第1次速報値と同じ前期比寄与度+0.1%で唯一のプラス寄与となった。また、第1次速報値段階では仮置き値で▲0.0%だった原材料在庫の前期比寄与度は+0.0%に、法人企業統計を受けて僅かに上方修正された。また、仮置き値の仕掛品在庫は前期比寄与度▲0.1%だったが同+0.0%に、こちらも法人企業統計を受けて上方修正された。一方、製品在庫は前期比寄与度▲0.1%とマイナス寄与だが、第1次速報値の同▲0.2%から上方修正となった。

●10~12月期実質政府最終消費支出は前期比+0.7%で第1次速報値の同+0.8%から下方修正された。実質公共投資は、10~12月期は第1次速報値の▲1.2%から同▲1.7%にマイナス幅が拡大した。公的在庫変動の実質・前期比寄与度は0.0%で変わらなかった。

●10~12月期の外需(純輸出)の前期比寄与度は第1次速報値と同じ▲0.3%、3四半期連続のマイナス寄与で変わらなかった。実質輸出は前期比+1.0%で第1次速報値の+0.9%から上方修正となった。実質輸入の前期比は+2.7%で変わらなかった。

●10~12月期月期のGDPデフレーターの前年同期比は▲0.3%、国内需要デフレーターの前年同期比は+0.5%の伸び率で第1次速報値と同じになった。また、10~12月期の季節調整済み前期比はGDPデフレーターが▲0.1%、国内需要デフレーターの前期比は+0.1%と、こちらも第1次速報値と変わらなかった。 

●政府経済見通しの18年度の実質GDP成長率見込み+0.9%は残り1四半期が前期比年率+4.4%程度(前期比+1.08%程度)と高い伸び率にならないと達成できないことになった。ちなみに、17年度から18年度へのゲタは+0.3%と第1次速報値の時と同じである。但し、残りの1四半期である1~3月期は1月分の関連経済指標が弱いので前期比ゼロ近傍程度のかなり低めの成長率になるかもしれない。

●第1次速報値では在庫投資・名目原数値・前年同期比寄与度は▲0.4%であったが、法人企業統計の発表を受けて第2次速報値で0.0%に大幅に上方修正された。この内訳に関しては、雰囲気しか教えてもらえないが、マイナス寄与は製品在庫、原材料在庫、プラス寄与は流通在庫、仕掛品在庫となっている模様だ。法人企業統計により仮置き値でマイナス寄与だった仕掛品在庫が名目原数値・前年同期比寄与度で最もプラス方向に寄与するという結果になった。

●ARIMAモデルにより内閣府が現時点での情報を使って算出・公表した、10~12月期の原材料在庫の季調済実質値前期差は▲763億円、仕掛品在庫の季調済実質値前期差は▲5,023億円である。