ホームマーケット経済指標解説2019年1~3月期実質GDP(第2次速報値)について

2019年1~3月期実質GDP(第2次速報値)について

2019年6月10日

―実質GDP成長率は前期比年率+2.2%に第1次速報値同+2.1%から上方修正―
―民間設備投資は前期比+0.3%増加に同▲0.3%の減少から上方修正。前期も上方修正―
―民間在庫変動は前期比寄与度+0.1%で第1次速報値と変わらず―

●19年1~3月期実質GDP成長率・第2次速報値は前期比+0.6%、前期比年率+2.2%となり、第1次速報値の前期比+0.5%、前期比年率+2.1%から上方修正となった。18年10~12月期も前期比+0.5%、前期比年率+1.8%と、前期比+0.4%、前期比年率+1.6%から上方修正となった。プラス成長は2四半期連続である。

●1~3月期・第2次速報値の名目GDP成長率は前期比+0.8%、前期比年率+3.4%に、第1次速報値の前期比+0.8%、前期比年率+3.3%から上方修正となった。名目GDPの季節調整値は554.3兆円である。

●第2次速報値での、18年度実質GDP成長率は前年比+0.7%に、第1次速報値の同+0.6%から上方修正となった。

●1~3月期の個人消費・前期比は、第1次速報値と同じく前期比▲0.1%で、2四半期ぶりの減少になった。

●1~3月期実質住宅投資は前期比+0.6%と第1次速報値の同+1.1%から下方修正となった。

●1~3月期の実質設備投資・前期比は第1次速報値の▲0.3%から、法人企業統計を需要サイドのデータとして使った第2次速報値では同+0.3%へと上方修正された。18年10~12月期も前期比+2.7%と、前期比+2.5%から上方修正となった。

●1~3月期民間在庫変動の実質・前期比寄与度は+0.1%と第1次速報値と変わらなかった。民間在庫投資の内訳をみると、流通品在庫は、水準は下がったものの第1次速報値と同じ前期比寄与度+0.1%だった。また、第1次速報値段階では仮置き値で▲0.0%だった原材料在庫は法人企業統計を受けて水準は上がったが、前期比寄与度は変わらなかった。また、仮置き値の仕掛品在庫は法人企業統計を受けて水準は下方修正されたが、前期比寄与度▲0.1%で変わらなかった。製品在庫は、水準は下がったものの前期比寄与度+0.1%で第1次速報値と同じだった。

●1~3月期実質政府最終消費支出は前期比▲0.1%で第1次速報値の同▲0.2%から上方修正された。実質公共投資は、10~12月期は第1次速報値の+1.5%から同+1.2%に鈍化した。公的在庫変動の実質・前期比寄与度は0.0%で変わらなかった。

●1~3月期の外需(純輸出)の前期比寄与度は第1次速報値と同じ+0.4%で変わらなかった。実質輸出は前期比▲2.4%で第1次速報値と変わらなかったが、前期比寄与度は▲0.4%で▲0.5%から上方修正となった。実質輸入の前期比は▲4.6%で、前期比寄与度も▲0.9%で変わらなかった。

●1~3月期のGDPデフレーターの前年同期比は+0.1%で第1次速報値の+0.2%から低下したが、国内需要デフレーターの前年同期比は+0.3%で第1次速報値と同じになった。また、1~3月期の季節調整済み前期比はGDPデフレーターが+0.3%で第1次速報値と変わらなかったが、国内需要デフレーターの前期比は▲0.2%で、こちらは第1次速報値の▲0.1%からマイナス幅が拡大した。

●19年度政府経済見通し+1.3%程度達成には、各四半期前期比年率+1.3%(前期比+0.30%)になることが必要だ。18年度から19年度へのゲタは+0.5%で第1次速報値と変わらなかった。

●第1次速報値では在庫投資・名目原数値・前年同期比寄与度は+0.4%であったが、法人企業統計の発表を織り込んだ第2次速報値でも変わらなかった。この内訳に関しては、雰囲気しか教えてもらえないが、プラス寄与の大きい順に原材料在庫、流通品在庫、製品在庫で、仕掛品在庫はマイナス寄与となっている模様で、寄与の順番も第1次速報値段階と変わらなかったようだ。

●ARIMAモデルにより内閣府が現時点での情報を使って算出・公表した、4~6月期の原材料在庫の季調済実質値前期差は▲1,443億円、仕掛品在庫の季調済実質値前期差は+398億円である。