ホームマーケット日々のマーケットレポートメルケル首相の「難民政策」に批判が高まる(欧州)【キーワード】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

メルケル首相の「難民政策」に批判が高まる(欧州)【キーワード】

2016年3月22日

13日に行われたドイツの3つの州議会選挙で、メルケル首相が率いるキリスト教民主同盟(CDU)が議席を減らす一方、反難民を訴えた新興右派政党“ドイツのための選択肢(AfD)”が躍進しました。難民に寛容なメルケル首相への批判票が選挙結果に大きな影響を与えたようです。来年9月に予定される国政選挙に勝利し、首相再選を目指すメルケル首相にとって、「難民政策」が最大の難関となりそうです。

【ポイント1】反難民掲げる新興右派政党が3月の選挙で台頭

メルケル首相への批判票が選挙を左右

■今回選挙が行われた3つの州すべてで、反難民をスローガンに掲げたAfDが10%以上の得票率を獲得し、躍進しました。代わりに、メルケル首相率いるCDUや国政における最大野党の社会民主党(SPD)などが得票率を落としました。

【ポイント2】メルケル首相は難民に寛容

難民による暴行事件で、ドイツ国民の姿勢に変化

■メルケル首相は昨年9月、難民に寛容な姿勢を示し、世界から賞賛されました。しかし、施設で収容しきれない難民が公園などで生活し、受け入れ体制が整う前に受け入れを公言した首相への不満が高まり、首相への支持も低下しました。

■また、昨年大晦日にケルンで難民による集団暴行事件が起こり、回復傾向にあった首相支持率は2月に大きく低下しました。3月の調査で首相支持率は幾分回復したものの、3月の選挙では首相の政策への批判票の大きさが改めて示されました。

【今後の展開】難民対応が争点へ

■「難民政策」修正の可能性も浮上
来年の国政選挙で4期目を狙う首相にとって、「難民政策」が最大の課題となりました。欧州連合(EU)は18日、難民流入抑制策でトルコと合意しました。しかし、ドイツを目指す難民は今後も増加すると見られ、首相がこれまで進めてきた難民に寛容な政策の修正を迫られる可能性があります。ドイツの政治の不透明感の高まりに注意が必要と見られます.

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