ホームマーケット日々のマーケットレポート「産油国会合」は合意に至らず(グローバル)【キーワード】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

「産油国会合」は合意に至らず(グローバル)【キーワード】

2016年4月18日

<今日のキーワード>
17日にカタールの首都ドーハで開催された、OPEC(石油輸出機構)加盟国とロシアなどOPECに非加盟の産油国など10数か国が参加した「産油国会合」は、合意に至らずに終了しました。経済制裁が解除され増産をしたいイランが欠席したほか、最大の産油国であるサウジアラビアが、産油国全体の足並みが揃わないと、減産には応じられない、と主張したことなどが背景と見られます。

【ポイント1】合意ができずに会合は終了

イランが欠席、サウジは足並みが揃わない合意を拒否か

■「産油国会合」は、2月にサウジアラビア、ロシア、カタール、ベネズエラの4カ国で暫定的に合意していた生産量の凍結に対し、他の産油国の参加を促し、新たな生産スキームを構築することを協議していましたが、結論が出ないままに終了しました。

■1月に経済制裁が解除されたイランが増産を主張し、会議を欠席しましたが、報道によれば、最大の輸出国であるサウジアラビアが、足並みが揃わない生産量の維持を拒否した模様です。この結果、原油生産に関する協議は、6月2日に開催されるOPEC総会まで持ち越しになりそうです。

【ポイント2】供給削減の期待は遠のく

原油価格は下落、円高進行

■「産油国会合」の協議決裂を受けて、原油需給の緩みが当面解消には向かわないとの思惑から、WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)の原油先物市場の時間外取引では、先週末の引け値の1バレル当り40.36ドルから5%程度下落しています。

■為替相場は、原油安懸念の再燃から、リスク回避の姿勢が強まり、東京での15日の引け値の1ドル=108.73円から、18日の午前中の段階では、107円台まで円高が進行しています。東京株式は、前場は約3%安で引けています。

【今後の展開】原油価格の圧迫要因に

■価格回復には時間が必要
最近の原油相場には、「産油国会合」での増産回避への合意が織り込まれていたと見られます。産油国の生産が今後増加基調で推移するとすれば、北米でのシェールオイルの生産減少と北米を中心とする需要回復が予想されますが、原油需給改善の実現は遠くなりそうです。

■次のOPEC総会は6月開催
次の「産油国会合」は、6月2日のOPECの定例総会まで持ち越しとなりそうです。産油国の財政悪化が進行しているため、総会までには何らかの合意に向けての努力が行われる可能性もあります。ただし、いずれにせよ、サウジアラビアの生産方針の転換が鍵となりそうです。

関連マーケットレポート