ホームマーケット日々のマーケットレポート「給与」は2カ月連続で高い伸び(日本)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

「給与」は2カ月連続で高い伸び(日本) 【キーワード】

2016年9月6日

<今日のキーワード>
「給与」の変化は厚生労働省が毎月発表する毎月勤労統計調査によって把握することが出来ます。1人当たりの「給与」の合計を示す現金給与総額(いわゆる名目賃金)や、所定内給与(基本給など)や特別給与(賞与など)の内訳を知ることが出来ます。足元では物価がマイナスで推移していることなどから、物価の変動を考慮した実質賃金は、名目賃金を上回って増加しています。

【ポイント1】現金給与総額は前年同月比+1.4%の高い伸び

賞与などの特別賃金の伸びが影響

■厚生労働省が5日に発表した7月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、1人当たりの「給与」の合計である現金給与総額(名目賃金)は前年同月比+1.4%の37万3,808円と、2カ月連続の高い伸びとなりました。内訳をみると、賞与などの特別給与が同+4.2%と高く、給与総額に影響したと見られますが、基本給などの所定内給与も同+0.4%と小幅ながらプラスとなっています。また、物価の変動を考慮した実質賃金は前月と同様に同+2.0%と、こちらも2カ月連続の高い伸びとなりました。物価のマイナスが続いているなか、実質では名目を上回る賃金の伸びとなりました。

【ポイント2】 名目雇用者報酬も高い伸び

雇用環境の改善から雇用者数増加

■失業率の低下や有効求人倍率の上昇傾向が続き雇用環境が改善するなか、雇用者数は前年比+2.1%と、堅調な伸びが示されました。また、雇用者数に現金給与総額を掛け合わせて見た名目雇用者報酬は同+3.5%と、こちらも高い伸びとなっています。

【今後の展開】 賃金の増加に加え、消費者心理の改善などが今後の消費を後押し

■足元の現金給与総額は、夏の賞与等の影響で高い伸びとなりました。基本給などの所定内給与の増加は1%以下にとどまっていますが、雇用環境の改善から名目雇用者報酬といった労働者が手にした賃金の総額が増加していることにより、経済全体では消費に向かうための資金が増加していると考えられます。

■2日に内閣府が発表した消費者態度指数を見ると、8月は前月比+0.7ポイントの42.0と前月から改善しました。指数の構成項目を見ると、暮らし向きは同+0.4ポイント、収入の増え方は同+0.5ポイント、雇用環境は同+1.5ポイント、耐久消費財の買い時判断は同+0.2ポイントと、主な意識指標は全て前月から改善しました。こうした消費者心理の改善と、「給与」の増加が、今後の消費の後押しとなると考えられます。

関連マーケットレポート