ホームマーケット日々のマーケットレポート英国のEU離脱投票を受け下落。落ち着きどころを探る展開へ 最近の欧州株式市場(2016年6月)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

英国のEU離脱投票を受け下落。落ち着きどころを探る展開へ
最近の欧州株式市場(2016年6月) 【デイリー】

2016年6月28日

【ポイント1】足元は緩やかな景気拡大

個人消費がしっかり

■欧州景気は、金融緩和政策や難民対策の財政支出等を背景に、緩やかな拡大が続いています。失業率の低下が継続するなど、底堅い雇用を背景とした個人消費にも支えられ、実質GDP成長率は3年にわたりプラス成長が続いています。

■ユーロ圏の6月の購買担当者景気指数(PMI)総合は52.8ポイントと、ほぼ横ばいでした。好悪の境目とされる50を引続き上回っており、景況感は維持されています。

【ポイント2】英国のEU離脱で減速へ

欧州株式は急落

■しかしながら、英国の欧州連合(EU)離脱が確定し、欧州経済の先行きへの不透明感が高まっています。英国向け輸出の減少や企業センチメントの悪化により、欧州経済は減速することが避けられない情勢です。

■英国のEU離脱決定を受け、リスク回避の動きが強まり、欧州株式は24日、27日と続落しました。

【今後の展開】当面株価の上値は重いが、リーマン・ショック時とは異なる

■欧州株式は、景気下振れリスクや英国とEUとの離脱交渉を巡る不透明感から当面上値が重い展開が予想されます。ただし、欧州中央銀行(ECB)は、市場の動揺を見極めつつ、追加の金融緩和を決定すると見込まれ、株価の下値を支えそうです。加えて、ユーロ域内でも国民の不満の高まりを解消するため財政支出が拡大される可能性が高そうです。リーマン・ショックの時と異なり、世界の金融市場には潤沢な流動性が存在します。また、欧州債務危機を経て、欧州の銀行の資本が改善していることから、少なくとも英国のEU離脱を要因とする信用収縮に陥るリスクは回避できると見られます。

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